税理士いらず?!ふるさと納税の限度額計算を徹底解説!

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 ふるさと納税の特産品

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ふるさと納税の山場 限度額計算

前回の「メリット・デメリット編」より、先日発表された『平成27年度税制改正大綱』(以下、単に「27年度改正」という)で益々お得になったふるさと納税について説明しています。

前回はふるさと納税のメリット・デメリットを解説しましたので、今回はふるさと納税の限度額、すなわちいくらまで寄附をすることができるかについて説明したいと思います!

「ふるさと納税=地方自治体への寄附」ということは前回お話したとおりですので、「ふるさと納税の限度額=寄附金控除の限度額」ということですよ。

限度額が大きい人ほど寄附をたくさんすることができ、特産品もいっぱいゲットできますよ。

延べ94万人が利用!税制改正で益々お得なふるさと納税を今年こそ使い倒す!

【目次】
メリット・デメリット編
・限度額編(本稿)
申込編
確定申告編

 

寄附金控除額の限度額を計算しよう!…え…正気ですか?

さてさて、それではさっそく寄附金控除の限度額を計算してみたいと思います。

かなり詳細に説明いたしますので、ご自身でも計算できると思いますが、あらかじめ言っておきます、ややこしいです。

ぶっちゃけ、税務の知識なしに手を出すもんじゃあないかも知れません…

こんなサイトや、こんなサイトで簡易計算してくれるようですし、そっちでざっくり計算して、そこに収まる範囲、例えば計算結果の90%くらいで保守的にふるさと納税を行ったほうが良いかもしれません…

でも、これらのサイトもまだ改正前の限度額にしか対応してないようです。
(※2015年4月追記; 2015年4月現在、改正後の限度額計算に対応されているようです。)
ですので、27年度改正後の限度額を知りたいって方は、本稿を参考にしてもらえればと思います。

はっきり言って、ふるさと納税は苦しみながらやるもんじゃなく、どの特産品をゲットしようかしらと、よだれダラダラでやるもんです。

そういう意味で、限度額の計算なんかは税理士に任した方が楽だし、今年だけじゃなく来年もやろうって思えますよね。

それでもまぁ、一回ぐらいは自分で限度額計算してみるかっていう意識高い系納税者の皆さんは、いっちょ先へお進みください!

鬼が出るか蛇が出るか、ふるさと納税「限度額編」行ってみましょー!(やけっぱち)

 

 

寄附金控除限度額の算式

ぐだぐだ言っててもしかたないので、さっそく限度額の説明に移りますよー。

限度額の算定は大きな区分として、①所得税、②住民税(基本分)、③住民税(特例分)の3つの控除があります。
したがって、まずはそれぞれの区分で計算をして、3つの限度額を合計することでふるさと納税の限度額を算出するという流れになります。

それぞれの計算式は以下の通り。

①所得税: (寄附額※1-2,000円)×所得税率※2
※1対象となる寄附金額は、所得税は総所得金額の40%が限度。
※2所得税率は年収により0~40%の間で変動する。なお、平成26年度から平成50年度については、復興特別所得税を加算した率とする。

②住民税(基本分): (寄附金※3-2,000円)×10%
※3 対象となる寄附金額は、総所得金額の30%が限度。

③住民税(特例分)※4: (寄附金-2,000円)×(100%-所得税率-10%(基本分))
※4 住民税(所得割額)の2割を限度とする。

あ。読み飛ばしましたね。
だから、ややこしいって言ったじゃないですか。

でも、大丈夫。次のセクションからそれぞれの計算式について説明をしていきます。
ええ。しつこいんです私。

どうせここまで進んだ仲ですから、一緒に限度額の沼に沈みましょう…ズブズブ…

 

 

ふるさと納税の限度額 ①所得税分

まずは所得税の区分ですが、寄附金額から2,000円を引いたものが所得控除、つまり税務上の利益から差し引ける額となります。

限度額の式を再掲しますね。今度は読み飛ばさずに、ちょっとだけでいいので眺めてみてください。

① 所得税:(寄附額※1-2,000円)×所得税率※2

※1対象となる寄附金額は、所得税は総所得金額の40%が限度。
※2所得税率は年収により0~40%の間で変動する。なお、平成26年度から平成50年度については、復興特別所得税を加算した率とする。

カッコの中の部分が所得控除の部分です。寄附金額から2,000円を引いたものが所得、すなわち税務上の利益から差し引けるってことですよ。

例えば、40,000円寄附したとすると、40,000円から2,000円を差し引いた38,000円を所得からマイナスできるということです。

はい。

数値例でてきました。

そこのあなた、拒否反応示さないで下さい。

あなたに蕁麻疹を出させるわけに、数値例を使ってるわけじゃないんです。
これでもわかりやすく説明しようとしているのです。これでもね!

さて、いきますよ。40,000-2,000ですからね。38,000ですね。
拒否反応を示すほどのことじゃないですよ。
小学生時代を思い出してください。引き算。習いましたよね。

で、この38,000円は“所得から”マイナスできる額ですから、実際にいくら所得“税”が安くなるかは、この38,000円に所得税率を掛けたものとなります。

上の式でいうと、カッコのあとの「×所得税率」っていう部分です。
所得税率は所得に応じて変わってきますが、仮に20%だったとすると、38,000円の20%、7,600円所得税が安くなるということです。
つまりこれが①所得税分の「限度額」となります。

所得金額に応じた所得税率はこちらの国税庁HPをご確認下さい。

所得税をたんまり払っているあなた。おめでとうございます。
特産品いっぱいゲットできます。
まじめに納税していたのが報われる数少ない瞬間ですよ。素直に喜びましょう。

さて、これでいくら税金が安くなるのかについては計算できましたが、ここで※1に注目です。

※1には「対象となる寄附金額は、所得税は総所得金額の40%が限度」とありますね。
つまり、これが所得税分の「上限額」となるわけです。

①の式で求めたものを「限度額」と呼び、※印による制限を、限度額の上限という意味で「上限額」と呼ぶことにしますよ。
以下も同様です。

例えばサラリーマンであれば、通常は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」っていう欄に記載されている金額が「総所得金額」になります。
この金額の40%が上限額となるのです。

ね。結構あるでしょ?
なので、サラリーマンの方はこの上限額はあんまり気にしなくて大丈夫です。

でもここで、例えば、給与所得控除後の金額が300万円、上限額がその40%で120万円と計算されたからと言って、「よっしゃー!120万円分、特産品食べ放題じゃー!ウホウホ」と喜ぶのはまだ早いです。

実は一番制限がきついのは、後述する③の住民税特例分の上限額なんですね。
ですので、実際にふるさと納税をする際には、③の上限額を考慮して寄附額を決定する必要があります。

まあ、それはそれとして、ここでは所得税分の限度額が計算できました。

一方で個人事業主の方はちょっと注意が必要ですよ。

個人事業主の場合、「総所得金額」は事業所得のことですよね。

いや、知らんがなって?でもそうなんですよ、通常は。

事業所得は事業で得た収入から必要経費を差し引いたものですから、節税対策などで事業所得が少ないか、マイナスだったりすると、上限額も小さく、もしくはゼロになってしまいます。

あ、でも、その場合であってもがっかりする必要はないですよ。
そもそも事業所得が少ない方は納付する所得税も少ないので、ふるさと納税で安くなる所得税も少ないというわけです。
ふるさと納税を使わなくても、上手に節税できましたというわけですね。

 

 

ふるさと納税の限度額 ②住民税 基本分

さてさて、限度額算定のキモは③の住民税特例分なので、ここもちゃっちゃと終わらせちゃいましょう。

大丈夫。①の所得税分と似てますから、簡単なはずです。たぶん。

まずは住民税基本分の限度額の式を再掲しますよ。

②住民税(基本分): (寄附金※3-2,000円)×10%

※3 対象となる寄附金額は、総所得金額の30%が限度。

ほら、所得税分と似ているじゃないですか。
違うのは最後に掛ける率ですよ。
①の所得税分では所得税率を掛けましたが、今回の住民税基本分では寄附金から2,000円を控除した額に住民税率10%を掛け合わせてますね。
その分、税額控除で税金が安くなります。

さっきの数値例で言うと、40,000円寄附していますので、40,000円から2,000円を差し引いた38,000円の10%分、3,800円住民税が安くなります。

それからこれも所得税分と似ていますが、上限額については※3に注目です。
パーセンテージが30%となっていますが、基本的には所得税分の考え方と同じです。

はい。これで②住民税基本分の説明は終わりです!

それでは、次はいよいよ③の住民税特例分の限度額算定です!

 

 

ふるさと納税の限度額 ③住民税 特例分

さあ、いよいよ山場ですよ。
どうせここまで来たのですから、頑張りましょう。

①所得税分、②住民税基本分と説明をしてきましたが、これらの上限額は総所得金額の40%とか30%とか非常に大きな金額でしたので、基本的にはこれに引っかかることは無いんでしたね。

ですがこの住民税特例分の上限額は①や②と比べて厳しく設定されてますので、実質的にはこの部分に注意して寄附金額を決めることになります。

では、限度額の式を見ていきましょう!
もう後戻りはできませんよ。フフフ。

③ 住民税(特例分)※4:(寄附金-2,000円)×(100%-所得税率-10%(基本分))

※4 住民税(所得割額)の2割を限度とする。

…ちょっと、ややこしいですね。
そもそも、カッコが2つも出てくるところに悪意を感じますね。

ですが、立ち止まっている場合ではありません。
この先には、美味しい美味しい特産品たちが待っているのです!

いきますよー。
とりあえず、今のままではくじけそうなので、最初のカッコと後のカッコに分けて考えましょう。

最初のカッコ、(寄附金-2,000円)という部分は、これまでと同じなので問題ないと思います。
数値例の38,000円の部分です。

問題は次のカッコ、(100%-所得税率-10%(基本分))ですね。

このうち、「-所得税率」というのは①所得税分を表しています。
①所得税分では(寄附金-2,000円)に所得税率を掛けたものが限度額でしたね。
所得税率を掛けあわせたものは、すでに①所得税分で計算してるので③住民税特例分では除くっていう意味です。

同様に、「-10%(基本分)」というのは上記の②住民税基本分のことを指しています。
10%を掛けあわせたものは、すでに②住民税基本分で計算してるので③住民税特例分では除くっていう意味です。

つまり、100%からこれら①所得税分と②住民税基本分を差し引くわけですから、裏を返せば、①所得税分と②住民税基本分で控除できなかった部分が③の住民税特例分となるということです。


……
………
…………
……………え?わけわかんない?

えっ…

…それでは仕方がありません。
みなさんが大好きな数値例を使って整理してみましょう。フハハ。

これまでの数値例では、寄附金が40,000円で、そこから2,000円を差し引いた38,000円が最初のカッコの中の金額ですよね。

①所得税分と②住民税基本分で説明した通り、これらだけでは①が7,600円、②が3,800円となり、合計11,400円しか税金が安くなっていませんよね。
寄附した額が40,000円で①と②で安くなる税金が11,400円じゃ、負担額28,600円で大損です。
これじゃあ、誰もふるさと納税しません。
地元に残してきたあの娘もがっかりです。

そ、こ、で、この住民税特例分があるわけです。

①所得税分の数値例では所得税率を20%としましたので、②住民税基本分の10%と合わせて、30%が100%から差し引く割合となります。
100%から30%差し引いた70%を38,000円に掛けた26,600円が、③住民税特例分の金額となるんですねー。

これで①と②と③の限度額の合計が38,000円となり、寄附額40,000円から2,000円を控除した全額、税額控除で税金が安くなるということです。

「お前の説明はごちゃごちゃしててわからん!」って方、おっしゃるとおりです。
最後の手段、図解を載せておきます。

ふるさと納税の限度額の図解

さて、上図でも示しているように、③住民税特例分についても限度額の算定は※印の上限が効いてきます。

※4には「住民税(所得割額)の2割を限度とする。」とありますよね。

③の特例分は①と②で差し引けなかった分を控除できる規定でしたが、特例分の限度額が住民税(所得割額)の2割に収まるようにしなければならないということです。

これは、①所得税分や②住民税基本分の上限額を示す※1や※3より厳しいものです。

一番大きな限度額の③に関する上限額である※4が一番厳しいものになっているため、通常、この※4の上限額が最初にひっかかることになります。
※4の上限額を超えて寄附をしようとすると、①と②で控除し切れなかった分を補う③の控除が頭打ちとなり、自己負担額が増えてしまうのです。

ちなみに、この2割という比率ですが、前回の「メリット・デメリット編」でも言ったように、昨年度までは1割だったものが27年度改正により2倍に引き上げられました。

ふるさと納税の限度額はこの住民税特例分が占める割合が大きいため、これまではよく、ふるさと納税は住民税の10%が目安だと言われていましたが、今後は住民税(所得割額)の20%が目安となるということです。
(なお、「住民税(所得割額)」というのは、住民税の税額控除前所得割額から、寄附金控除以外の税額控除額を控除した額のことを指します。)

しかし、これはあくまで目安の話です。
実際には限度額は①所得税部分(所得税率。数値例では20%)と②住民税基本分(10%)も合算されますので、実際には自己負担額を2,000円に保ったまま、住民税(所得割額)の20%を超えて寄附することが可能です。

いずれにせよ、住民税(所得割額)の額がわからなければ目安も立てようがありませんね。

なので、ちょっと脱線しますが、住民税のお話を…

脱線する話

住民税には所得割額と均等割額という2種類があるのですが、ふるさと納税の限度額を規定しているのは所得割額の方です。
ほら、※4に住民税(所得割額)とあるじゃないですか。

ちなみに、所得割額はさらに道府県民税(23区では特別区民税)と市町村民税(東京都では都民税)に別れるのですが、ふるさと納税の上限額の算定では、この区分は関係ありません。

毎年6月ごろに、サラリーマンの方は勤務先を通じて特別徴収税額通知書が、個人事業主の方であれば税額通知書(納付書)が送付されてくると思いますので、それで住民税(所得割額)を確認することができます。

通知書には道府県民税と市町村民税とが分かれて記載されていると思いますが、先ほど言ったように、この区分はふるさと納税の上限額算定に関係ありませんので、これを合算した金額の20%が上限額となります。

これも繰り返しになりますが、合算する道府県民税と市町村民税は所得割額だけですよ。均等割額まで足さないように注意しましょう。
(住民税の説明終わり!住民税についての詳しい説明は「私の住民税はいくら?住民税の計算方法と納付方法」をご覧下さい)

さて、兎にも角にも、①~③を合計することにより、寄附金の限度額が計算されると思います。

では、次のセクションで実際にあなたの限度額を計算してみましょう。

 

 

あなたの限度額は?

それではあなたの限度額を計算してみましょう。

必要なのはあなたの住民税(所得割)の金額と、所得税率です。

住民税(所得割)の金額は、市区町村で発行される課税証明書を確認するか、こちらのサイトで計算して見ましょう。
所得税率は国税庁のHPで調べられますよ。

ここでは仮に、住民税(所得割)の金額を300,000円、所得税率を20%としましょう。

まず、住民税(所得割)の金額が300,000円ですから、これの20%が住民税特例分の上限額となります。

住民税特例分上限額  300,000×20%=60,000円

そして、所得税率が20%、復興特別所得税率が所得税率の2.1%で0.42%。

これまでの説明では復興特別所得税率を無視してきましたが、※2にあるように、①所得税分の限度額は復興特別所得税率を加算して計算します。

②住民税基本分の限度額計算で使われる住民税率は一律10%ですから、これらを加算すると30.42%(=所得税率+復興特別所得税率+住民税率)となります。

③住民税特例分の限度額は100%からこの30.42%を差し引いたものですから、69.58%ですね。

そして、この69.58%の上限額が上で求めた60,000円ですから、100%分に割り戻すと、86,200円(=60,000÷69.58%)。

自己負担額の2,000円を加えて、88,200円が寄付できる限度額となります。
どうでしょう。限度額を計算できたでしょうか?

 

 

まとめ

いやはや…ほんと、お疲れ様でした。

あとは、この限度額を目安に寄附する自治体を選んで寄附をすればよいということになります。
この後は税金が返ってきたり、特産品がもらえたり、楽しいことばっかですよー!
(確定申告のことはひとまず忘れましょう)

長々とわけのわからない説明をしてきてすみません。
にもかかわらず、住民税の話に脱線してしまいすみません。
全ては皆様にふるさと納税を使ってほしいという一心で説明したんです。本当です。

決して、余計な話までして混乱させようとは思っていません。

ですので、批判は受付けません。ええ。一切。全く。

だって、我々は限度額の沼に一緒に飲み込まれた同志ではないですか。
戦友ではないですか。

これからも共に立派なふるさとノウゼラーへの道を歩もうではありませんか!

次回「申込編」はいよいよ実際にどのようにふるさと納税を行えば良いのかを解説していきますよー。
限度額が意外と大きくて驚いた方もいるのでは?

メリットばかりのふるさと納税ですので、今回の記事と合わせて参考にしていただいて、是非ふるさと納税を活用してください!

 

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