所得税の源泉徴収。税額計算と徴収・納付手続を一挙に解説!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所得税の源泉徴収。税額計算と徴収・納付手続を一挙に解説!

皆さんは「手取り」とか「源泉」という言葉を聞いたことがあると思います。サラリーマンの方であればお給料をもらうときに、事業主の方なら報酬を受け取るときに。
もしかすると「額面」っていう言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。

額面から源泉を引いて、手取りになるという構造です。

日常会話では、税金だけではなく社会保険料なども含めて源泉と言うことが多いですが、本稿では所得税にフォーカスして説明をしていきたいと思います。

ところで、この源泉徴収される税金ですが、自分の手元にお金が来るときには既に税金が差し引かれてるなんて、他の税金と払い方が違うと思いませんか?

例えば、個人事業主の方は毎年、事業所得を計算し所得税の確定申告をしていると思います。このように、所得を得た人自身が税金を計算して申告、納付する制度を「申告納税制度」と言います。

サラリーマンなどの給与所得者の方は「年末調整」という特殊な手続きで納税が完了しますので、純粋な申告納税制度ではありません。
しかし給与所得者であっても、確定申告をすること自体は可能ですので、基本的には個人事業主の方と同様、申告納税制度を基礎としていると言って良いでしょう。

つまり所得税というのは、所得を得た人が税金を計算し、納付するという申告納税制度を原則としていると言えます。

ところが所得を得た人ではなく、支払った人が税金を計算して預っておき、納付までしなければならないものがあります。これが源泉所得税で、このような制度は源泉徴収制度と呼ばれます。

なお、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生じる所得のうち、所得税の源泉徴収の対象とされている所得については、所得税を徴収する際に、復興特別所得税を併せて徴収、納付するものとされています。

すなわち現行の所得税は、申告納税制度と源泉徴収制度が並存していることになります。

申告納税制度については各所でうるさく言われてますし、皆さんも確定申告によってきちんと納税されていることと思います。
しかし所得を支払う側になった場合に、源泉徴収することを忘れてしまう方は多いのではないでしょうか?

万が一、源泉徴収をしなかった場合には、延滞税や不納付加算税などが課されてしまいますので、本稿を参考に徴収漏れの無いように気をつけていただきたいと思います。

 

源泉徴収をしなければならない人とは

会社や個人が、人を雇って給与を支払ったり、税理士などに報酬を支払ったりする場合には、所得税(および復興特別所得税。以下同じ)を差し引き、納付しなければなりません。

このように、源泉徴収をしなければならない人のことを源泉徴収義務者といいます。
申告納税制度とは違い、源泉徴収制度では所得を受け取った人ではなく、支払った人に納付義務がありますので注意してください。

また源泉徴収の対象とされている所得の支払者は、それが会社や個人である場合はもちろん、学校、官公庁、協同組合、人格のない社団・財団であっても、全て源泉徴収義務者となります。

ただし所得の支払者が個人の場合で、次のどれかにも当てはまる人は、源泉徴収をする必要はないとされています。

  1. 常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人
  2. 給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人

1.では、零細な個人事業主にまで源泉徴収義務を課すのは負担が大きいと判断し、源泉徴収義務者から除かれています。

また2.については、例えば、給与所得者が確定申告などをするために税理士に報酬を支払う場合などを想定し、源泉徴収義務を免除しています。

 

源泉徴収の対象となる所得の範囲

上記のようなわずかな例外を除いて、源泉徴収の対象となる所得を支払った場合には、全ての支払者が源泉徴収義務者となるのですから、「源泉徴収の対象となる所得」とは何かを知ることが重要です。

源泉徴収の対象となる所得の範囲は、その所得の支払を受けとる人を①居住者 ②内国法人③非居住者及び外国法人の3つに分け、その区分に応じて規定されています。

居住者、内国法人、非居住者、外国法人の定義は以下の通りです。

  • 居住者・・・国内に住所を有する個人または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人
  • 内国法人・・・国内に本店または主たる事務所を有する法人
  • 非居住者・・・居住者以外の個人
  • 外国法人・・・内国法人以外の法人

それでは支払先の区分に応じて、それぞれどのようなものが源泉徴収の対象となるかを見ていきましょう。

 

源泉徴収の対象となる所得-支払先が居住者の場合

支払先が居住者の場合、源泉徴収の対象となるのは以下のようなものです。

  • 利子等 ①公社債及び預貯金の利子、②合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配、③勤労者財産形成貯蓄保険契約等に基づく差益など
  • 配当等 ①法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、②基金利息、③投資信託の収益の分配(利子等に該当するものを除く)及び特定受益証券発行信託の収益の分配など
  • 給与等 俸給、給料、賃金、歳費、賞与その他これらの性質を有するもの
  • 退職手当等 ①退職手当、一時恩給その他これらの性質を有するもの、②社会保険制度等に基づく一時金など
  • 公的年金等 ①国民年金法、厚生年金保険法等に基づく年金、②恩給(一時恩給を除く)及び過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金、③確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金など
  • 報酬・料金等(「 給与等」又は「4. 退職手当等」に該当するものを除く)
    次に掲げる報酬・料金、契約金、賞金等
    (1)原稿料、デザイン料、講演料、放送謝金、工業所有権の使用料、技芸・スポーツ・知識等の教授・指導料など
    (2)弁護士、公認会計士、税理士等の報酬・料金
    (3)社会保険診療報酬支払基金から支払われる診療報酬
    (4)外交員、集金人、電力量計の検針人、プロ野球の選手、プロサッカーの選手等の報酬・料金
    (5)芸能、ラジオ放送及びテレビジョン放送の出演、演出等の報酬・料金並びに芸能人の役務提供事業を行う者が支払を受けるその役務の提供に関する報酬・料金
    (6)バー・キャバレー等のホステス、バンケットホステス・コンパニオン等の報酬・料金
    (7)使用人を雇用するための支度金等の契約金
    (8)事業の広告宣伝のための賞金及び馬主が受ける競馬の賞金
  • 保険業法に規定する生命保険会社、損害保険会社等と締結した保険契約等に基づく年金
  • 定期積金の給付補塡金等
  • 匿名組合契約等に基づく利益の分配
  • 特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等
  • 懸賞金付預貯金等の懸賞金等
  • 割引債の償還差益

ずらっと並べてしまいましたが、特に注意して欲しいものは赤字にしています。ざっくりと、個人に支払うもののうち給与や報酬、退職金は源泉徴収しなければならないと覚えておけばよいでしょう。

 

源泉徴収の対象となる所得-支払先が内国法人の場合

続いて、支払先が内国法人の場合に、源泉徴収しなければならないものです。

  1. 利子等(居住者の場合の①及び②に同じ)
  2. 配当等(居住者の場合の範囲に同じ)
  3. 定期積金の給付補塡金等
  4. 匿名組合契約等に基づく利益の分配
  5. 馬主が受ける競馬の賞金
  6. 懸賞金付預貯金等の懸賞金等
  7. 割引債の償還差益

居住者(個人)の場合と比べると、「給与等」や「退職手当等」が無くなっているのは当たり前ですが、「報酬・料金等」まで無くなっていますね。

これは、個人の場合は報酬や料金をごまかして申告納税しない可能性があるので、予め源泉徴収して、税金の取りっぱぐれを防ごうとしているのでしょう。
裏を返せば、法人ならちゃんと申告納税するだろうって思ってるということですかね。本当に法人なら安心なのかはわかりませんが…

 

源泉徴収の対象となる所得-支払先が非居住者や外国法人の場合

さて、次は支払先が上記以外、つまり非居住者や外国法人の場合です。
現状、これらの人たちに支払いが無い方は、この項はすっ飛ばしていただいて結構ですよ。

  1. 次に掲げる国内源泉所得
    (1)国内において行う組合契約事業から生ずる利益の配分(国内に恒久的施設を有しない非居住者又は外国法人が支払を受けるものを除く)
    (2)国内にある土地等の譲渡による対価
    (3)国内において人的役務の提供事業を行う者が受けるその役務提供の対価
    (4)国内にある不動産、船舶、航空機などの貸付けの対価及び地上権などの設定の対価
    (5)国内にある営業所等に預け入れられた預貯金の利子等
    (6)①内国法人から受ける所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は基金利息、②国内にある営業所等に信託された投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く)又は特定受益証券発行信託の収益の分配
    (7)国内において業務を行う者に対するその国内業務に係る貸付金の利子
    (8)国内において業務を行う者から受けるその国内業務に係る工業所有権、著作権等の使用料又は譲渡の対価
    (9)①給与その他人的役務の提供に対する報酬のうち、国内において行う勤務等に基因するもの、②公的年金等、③退職手当等のうち受給者が居住者であった期間に行った勤務等に基因するもの(非居住者のみ)
    (10)国内において行う事業の広告宣伝のための賞金
    (11)国内にある営業所等を通じて保険業法に規定する生命保険会社、損害保険会社等と締結した保険契約等に基づく年金
    (12)国内の営業所等が受け入れた定期積金の給付補塡金等
    (13)国内において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約等に基づいて受ける利益の分配
  2. 外国特定目的信託の利益の分配又は外国特定投資信託の収益の分配
  3. 国内に恒久的施設を有する非居住者が行う特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等
  4. 懸賞金付預貯金等の懸賞金等
  5. 割引債の償還差益

念のため重要なものは赤字にしておきましたが、これらは全て、非居住者か外国法人へ支払うケースですのでお間違えなく。

 

源泉徴収する時期、源泉徴収した所得税の納付時期は?

では上記のような源泉徴収すべき支払いがあった場合、いつ源泉徴収すればよいのでしょうか?

源泉徴収は通称「天引き」などと呼ばれていることからも分かるように、現実に源泉徴収の対象となる所得を支払う時に源泉徴収する必要があります。つまり、支払先に渡すのは源泉徴収後の金額ということです。

支払う時に差し引いて徴収すればよいため、たとえ支払うことが確定していたとしても、実際に支払われなければ基本的には源泉徴収をする必要はありません。

差し引いた所得税と復興特別所得税は、原則として、実際に支払った月の翌月10日までに源泉徴収義務者が納めます。
納付期限までに納付されない場合には、源泉徴収義務者は延滞税や不納付加算税などが課されますので注意しましょう。

源泉徴収をした所得税は、合計額をe-Taxか最寄りの金融機関や所轄の税務署で納付します。

所轄の税務署は下記リンクから検索することができます。

金融機関や税務署で納付する場合には「所得税徴収高計算書」(後述します)も一緒に提出する必要がありますが、毎月この計算書を作成して納付するのは大変ですよね。
そこで、納付手続きを年2回に簡略化できる特例があります。

納期の特例を適用した場合の手続きは以下のようになります。

  • 1月から6月までに支払った所得から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の額 ⇒ 7月10日までに納付
  • 1月から12月までに支払った所得から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の額 ⇒ 翌年1月20日までに納付

ただし、この特例を利用できるのは、給与の支給人員が常時10人未満である源泉徴収義務者に限られています。
また、対象となる所得も、給与や退職手当か税理士・弁護士などの報酬・料金についてに限定されています。同じ報酬・料金でも、原稿料やデザイン料、講演料などは納期の特例の対象となりませんのでご注意下さい。

要件に当てはまれば、毎月の納付が年2回で済みますので、この特例は是非とも適用しておきたいものです。

納期の特例を適用するためには、所轄税務署長に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出して承認を受けることが必要です。

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」は下記リンクから入手できます。

申請は却下の通知がない場合には、申請月の翌月末日において承認があったものとみなされますので、申請月の翌々月の納付分からこの特例が適用されることになります。

 

「所得税徴収高計算書」の書き方

前述の通り、源泉著特税を金融機関や税務署で納付する場合には「所得税徴収高計算書」が必要となります。

なお、「所得税徴収高計算書」は支払う所得の種類によって、8つに分かれていますので、種類に応じたものを使用するようにしてください。

以下に、支払った所得の種類に応じた「所得税徴収高計算書」の書き方が記載された国税庁HPへのリンクを掲載しておきますので、これを参考に記載してください。

 

源泉徴収税額の計算と徴収事務

それでは、実際に源泉徴収をする場合に、どのような手続きが必要になるのかを見ていきましょう。

ここでは、遭遇する場面が多いとおもわれる、給与所得と報酬・料金等(ともに、居住者に対し支払うもの)の源泉徴収事務を説明いたします。

 

給与所得の源泉徴収の仕方

居住者に対し国内において給与の支払をする場合には、原則として毎月の給与の支払の際に源泉徴収をします。

前述の通り、常時2人以下の家事使用人のみに対し給与の支払をしている場合には、源泉徴収は不要です。

源泉徴収する税額はあくまで見積もり金額なので、給与所得者が本来払うべき税金の額とは異なっています。
そのため、その年の最後に給与を支払うときに年末調整を行ってその源泉徴収をした税額と本来納めるべき税額との過不足額を精算することになっています。

源泉徴収する額は、給与か賞与かで違ってきますので、まずは支払いを給与と賞与に分ける必要があります。

分け方としては、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当などの名前で支払われているものや、純益を基準として支給されるもの、あらかじめ支給額又は支給基準の定めのないもの、あらかじめ支給期の定めのないものは賞与として扱います。

そしてその他のものを給与として扱うことになります。

 

給与の源泉徴収税額の算定

給料や賃金などを月々支払う際の源泉徴収税額は、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求めます。「給与所得の源泉徴収税額表」は下記のリンクからご覧になれます。

毎月や半年毎など、月の整数倍の期間で支払う場合には、上記の(月額表)を使用しますが、毎日や週毎で払うものや日雇い賃金については下記リンクの(日額表)を使用します。

「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を見ると、表が甲欄と乙欄に分かれています。

甲欄は「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出があった場合に使用します。「給与所得者の扶養控除等申告書」が無い場合には乙欄を使用します。

給与所得者の扶養控除等申告書」は年末が近づいたときに、従業員の方へ提出を呼びかけ、提出してもらいますので、基本的には甲欄を使用して源泉徴収税額を計算することになります。

複数の会社から給与を得ている人は、「給与所得者の扶養控除等申告書」はそのうち1つの会社にだけ提出すれば良いため、そのような場合には「給与所得者の扶養控除等申告書」が無い場合があり、乙欄を使用します。

甲欄は、扶養親族等の数に応じて源泉徴収税額が記載されていますので、給与の額に応じた額を源泉徴収すればよいのですが、基準となる給与の額は「社会保険料等控除後」の金額であることに注意が必要です。

扶養親族等の数の求めかたは、下記リンクをご覧下さい。

したがって、手順としては

  1. まず、社会保険料等控除後の給与等の金額を計算する
  2. により求めた金額に応じて、月額表の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」欄の当てはまる行を定める
  3. で定めた行と甲欄の扶養親族等の数の該当する人数の欄との交わるところに記載されている金額を源泉徴収する

となります。なお、月額表に記載されている税額は所得税と復興特別所得税の合計額です。

 

賞与の源泉徴収税額の算定

さて、次は賞与の場合です。

賞与に対する源泉徴収税額は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使って求めます。

「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」は下記のリンクからご覧になれます。

賞与であっても、以下のような場合には「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を使用して源泉徴収税額を求めます。

  • 前月中に賞与以外の普通給与の支払がない人に支払う賞与
  • 前月中の普通給与の10倍を超える賞与

この「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」にも甲欄と乙欄があることが分かると思います。

給与の場合と同じく、甲欄は「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されている場合、乙欄は提出されていない場合に使用します。

源泉徴収税額を求める手順は以下の通りです。

  1. まず、前月中の社会保険料等控除後の給与等の金額を計算する
  2. により求めた金額と扶養親族等の数とに応じて「賞与の金額に乗ずべき率」欄に記載されている率を求める
  3. 社会保険料等控除後の賞与の金額により求めた率を乗じた金額を源泉徴収する

給与の場合と計算方法が若干異なりますので、注意してください。

なお、3.により求められた徴収税額は所得税と復興特別所得税を合計したものになります。

 

給与所得におけるその他の手続き

給与所得を支払った場合には、その他に年末調整と支払明細表の交付という手続きが必要になります。

 

年末調整

給与所得に特徴的な手続きが年末調整です。

前述の通り、源泉徴収する税額はあくまで見積もり金額なので、年末調整をすることで、本来納めるべき税額にする必要があります。

 

支払明細表の交付

給与を支払う際には、給与の金額、源泉徴収税額などの必要事項を記載した支払明細書をその支払を受ける人に交付する必要があります。

 

報酬・料金等の源泉徴収の仕方

さてさて、次は報酬・料金等の場合です。
少しお疲れかとは思いますが、給与の場合よりは簡単ですので、もう少し頑張りましょう!

報酬・料金等に該当するものを再掲しますと、以下のようなものでしたね。

  • 報酬・料金等(「給与等」又は「退職手当等」に該当するものを除く)
    次に掲げる報酬・料金、契約金、賞金等
    (1)原稿料、デザイン料、講演料、放送謝金、工業所有権の使用料、技芸・スポーツ・知識等の教授・指導料など
    (2)弁護士、公認会計士、税理士等の報酬・料金
    (3)社会保険診療報酬支払基金から支払われる診療報酬
    (4)外交員、集金人、電力量計の検針人、プロ野球の選手、プロサッカーの選手等の報酬・料金
    (5)芸能、ラジオ放送及びテレビジョン放送の出演、演出等の報酬・料金並びに芸能人の役務提供事業を行う者が支払を受けるその役務の提供に関する報酬・料金
    (6)バー・キャバレー等のホステス、バンケットホステス・コンパニオン等の報酬・料金
    (7)使用人を雇用するための支度金等の契約金
    (8)事業の広告宣伝のための賞金及び馬主が受ける競馬の賞金

注意点としては、通常、報酬・料金等の支払者が個人で、その個人が給与の支払者でないときや給与の支払者であっても常時2人以下の家事使用人のみに対する給与の支払者であるときは、源泉徴収の必要はないのですが、ホステス、バンケットホステス等に支払う報酬・料金については源泉徴収する必要があるということです。
これらの方に対する支払いは徴収漏れが発生しやすいという判断なのでしょうが…

いずれにせよこの全てを説明するのは大変ですので、ここでは、上記のうち(1)原稿料、デザイン料、講演料、放送謝金、工業所有権の使用料、技芸・スポーツ・知識等の教授・指導料と(2)弁護士、公認会計士、税理士等の報酬・料金について説明しようと思います。

 

まずは(1)に該当するものをズラっと並べてみます。

原稿の報酬、挿絵の報酬、写真の報酬、作曲の報酬、レコード、テープ又はワイヤーの吹き込みの報酬、デザインの報酬、放送謝金、著作権の使用料、著作隣接権の使用料、工業所有権等の使用料、講演の報酬・料金、技芸、スポーツ、知識等の教授・指導料、脚本の報酬・料金、脚色の報酬・料金、翻訳の報酬・料金、翻訳の報酬・料金、通訳の報酬・料金、校正の報酬・料金、書籍の装丁の報酬・料金、速記の報酬・料金、版下の報酬・料金、投資助言業務に係る報酬・料金

どうです?目がチカチカしますね。

読むのは大変ですから、実際に事例に当たったときにこの中に該当するものがあるかどうかを確認していただければと思います。

 

つぎに(2)に該当するものです。以下のような人たちに支払う報酬や料金が該当します。

弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、税理士、計理士、会計士補、社会保険労務士、弁理士、企業診断員、司法書士、土地家屋調査士、海事代理士、測量士、測量士補、建築士、建築代理士、不動産鑑定士、不動産鑑定士補、技術士、技術士補、火災損害鑑定人、自動車等損害鑑定人

ちなみに、上記に行政書士は入っていませんので、行政書士への報酬・料金等は源泉徴収する必要はありません。
しかし、行政書士への依頼内容が、建築基準法第6条等に定める「建築に関する申請若しくは届出」の書類の作成のような場合には、依頼業務が建築代理士の行う業務に含まれるため源泉徴収しなければなりません。

 

報酬・料金等の源泉徴収税額の算定

源泉徴収税額は(1)の原稿料などでも(2)の弁護士報酬などでも「報酬・料金の額×10.21%」で求められます。

ただし、同一人に対し1回に支払われる金額が100万円を超える場合には、「100万円までは10.21%(つまり102,100円)、100万円を超える部分については、20.42%」となります。

なお、下記の報酬・料金等は「(報酬・料金の額-1回の支払につき1万円)×10.21%」が源泉徴収税額となります。

  • 司法書士の裁判所、検察庁、法務局又は地方法務局に提出する書類の作成その他の業務に関する報酬・料金
  • 土地家屋調査士の不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査、測量又は官公庁に対する申請手続その他の業務に関する報酬・料金
  • 海事代理士の船舶法、船舶安全法、船員法、海上運送法又は港湾運送事業法の規定に基づく申請、届出、登記その他の手続又はこれらの手続に関する書類の作成その他の業務に関する報酬・料金

したがって、司法書士、土地家屋調査士、海事代理士への報酬・料金等が1回1万円以下の場合には、源泉徴収する必要はないということです。

なお、これらのパーセンテージは所得税のほか、復興特別所得税が含まれています。

 

消費税の取扱い

原則として、消費税の額を含めた金額が、源泉徴収の対象となる報酬・料金等の金額となります。

ただし、請求書等で報酬・料金等の額と消費税の額とが明確に区分されている場合には、消費税額を含まない報酬・料金等の額のみが源泉徴収の対象となりますので、報酬・料金等を受け取る側は消費税を区分して請求書を作成したほうが手取り額が多くなります。

 

法定調書の作成と提出

法定調書とは所得税法などの法律によって、税務署への提出が義務付けられている書類です。

主な法定調書と提出義務者は以下の通りです。

法定調書と提出義務者

法定調書と提出義務者

法定調書は、原則として、翌年1月31日までに所轄する税務署長に提出しなければなりません。

作成方法は「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」を参考にしてください。

また、法定調書を税務署へ提出する場合には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を作成し、添付する必要があるので注意しましょう。

 

「給与支払報告書」等の市区町村への提出

「給与所得の源泉徴収票」および「退職所得の源泉徴収票」の提出義務者は、市区町村に「給与支払報告書」および退職所得に係る「特別徴収票」を提出しなければなりません。

ちょっと面倒くさいのですが、「給与支払報告書」、退職所得に係る「特別徴収票」は、それぞれ「給与所得の源泉徴収票」、「退職所得の源泉徴収票」と記載内容が同じですので、これらを作成していれば記載方法自体は簡単です。

なお、「給与支払報告書」を市区町村へ提出する場合には、「給与支払報告書(総括表)」を添えて提出してください。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

サラリーマンの方などへ支払う給与だけでなく、退職手当や報酬・料金などからも源泉徴収が必要ということがお分かりいただけたと思います。

より詳細な資料は、国税庁の「源泉徴収のあらまし」をご覧下さい。

冒頭で述べたとおり、源泉徴収を忘れてしまうと、延滞税や不納付加算税などが課されてしまいます。徴収漏れの無いように気をつけましょう。

ビズバ!を運営する会計事務所シンシアでは一緒に働く仲間を募集しています!

以下のような職種で、メンバーをお迎えしたいと考えています(募集職種は時期により異なります)。


 


『幹部候補生』
経験をお持ちの方には、幹部候補生として活躍を期待しています。
「より専門性の高い業務に挑戦したい」「自らもプレイヤーとして活躍しつつ、マネジメントも将来的に行いたい」
幹部候補生に応募の方には部門長となって頂くことが可能です!


『税務会計スタッフ』
必ずしも、会計事務所での長期の実務経験が必要ではありません。社会人としての当たり前のマナーをお持ちの方、歓迎です。
組織をより強固にするためにも、人財採用と教育は不可欠。「お客様の笑顔を見たい」と思える人財を募集・育成します。


『会計補助スタッフ』
簿記の知識があり会計ソフトへの入力の経験がある方で扶養の範囲内で働きたい方、大歓迎です。
育児と仕事の両立を積極的に応援しておりますので、働く時間も御相談の上一緒に決定していきましょう。


ご応募・お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

ビズバ!ではお伝えしきれない、よりタイムリーな補助金・助成金・税制などのお得な情報や、資金調達に関する裏話などを、メルマガで配信しています。 メルマガ受信ご希望の方は、メールアドレスを入力してください!

コメントを残す

*