領収書だけじゃない!収入印紙が必要な書類と印紙税の節約法

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領収書だけじゃない!収入印紙が必要なのは?印紙税を解説!

収入印紙って何で貼るの?

ビジネスをしていると、領収書や契約書に収入印紙が貼られていることがありますよね。
貼ってもらうときは良いのですが、自分が貼る側になった場合、ちゃんと貼るべきものとそうでないものの区別がつきますか?

実は、収入印紙は印紙税法という法律によって、貼るべき文書が規定されています。そして、後述しますがこれを怠った場合にはかなり割高な過怠税(つまり罰金のようなもの)を徴収されてしまいます。

今回は皆さんが収入印紙を貼る立場となった場合に迷うことの無いよう、詳細に説明していきますよ。

印紙税の払い方は?

印紙税を納付する方法には次の5つの方法があります。

  1. 収入印紙による納付(原則)
  2. 税印押捺による納付(特例)
  3. 印紙税納付計器の使用による納付(特例)
  4. 書式表示による納付(特例)
  5. 預金通帳等に係る一括納付(特例)

2.~5.の方法は特例であり、特例を利用するには所轄税務署長の承認を受けるなど、別途手続きが必要です。

原則である1.の方法による場合は、課税文書(後述)に収入印紙を貼付して納付することとなります。本稿でも、この収入印紙による納付を念頭に説明をしていきます。

なお、この場合には、消印を忘れないようにしなければなりません。消印のない場合には、印紙税を納付したことにはならず、印紙の額面の金額の過怠税が徴収されてしまいます。

ちなみに、収入印紙とは、国庫収入となる租税・手数料その他の収納金の徴収のために、財務省が発行する証票のことをいいます。額面は1円から10万円まで31種類が発行されていて、郵便局やコンビニなどで購入できます。ただし、コンビニでは取り扱っている額面種類や枚数が限られていることが多いため、郵便局で入手するのが確実でしょう。

 

 

収入印紙を貼るべき書類は?

印紙税は、収入印紙を貼るべき文書を作成した人が、定められた金額の収入印紙を貼り、消印した上で納付します。

そして、印紙税が課されるのは課税文書に限られています。

そのため、印紙税を漏れなく納税するには課税文書とは何かを押さえておく必要があります。 課税文書とは、次の3つの条件すべてに当てはまる文書をいいます。

  1. 印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
  2. 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
  3. 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。

印紙税法別表第一(課税物件表)については下記のリンクからご確認ください。

非課税文書とは以下のような文書を指します。

  • 課税物件表の非課税物件欄に規定する文書
  • 国、地方公共団体又は印紙税法別表第2(非課税法人の表)に掲げる者が作成する文書
  • 印紙税法別表第3(非課税文書の表)の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成するもの
  • 印紙税法以外の特別の法律により非課税になっている文書

基本的には課税部件表に記載されている文書を作成したときに印紙税を納付する必要があると思っていただいてよいですが、これはあくまで目安です。
課税物件表に記載されている名称とは異なる文書であっても、その文書に記載されている内容が課税事項に当たるかどうかによって実質的に判断される点にご注意下さい。

また、印紙税が課されるのは「文書を作成したとき」ですが、これは、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを「その文書の目的に従って行使したとき」を指します。
ですので、例えば、受取書であればその目的は「相手方に交付する」ことだと思いますので、交付したときに印紙税の課税義務が生じます。
同様に、契約書であれば契約当事者同士の意思表示が合致したことが証明されたときに課税義務が生じますし、定款であれば認証を受けたときに課税義務が生じます。

さて、課税物件表には、第1号の不動産の譲渡に関する契約書等から、第20号の判取帳まで収入印紙を貼るべき文書を20の号に分類し、文書の名称、定義、課税標準、税率等が定められています。

課税物件表をみると、記載されている文書には大きく以下の4つのパターンがあることがわかります。

  • 階級定額税率の適用対象となる文書(第1号から第4号まで、第17号)
  • 高額の定額税率の適用対象となる文書(第5号から第7号まで)
  • 一般定額税率の適用対象となる文書(第8号から第16号まで)
  • 通帳と判取帳(第18号から第20号まで)

以下ではこの4パターンに基づいて主な文書を個別に解説していきますが、その前に、印紙税法において重要な課税文書である「契約書」について説明したいと思います。

 

印紙税法上の契約書の範囲とその注意点

契約書の範囲

課税物件表を見ると、「○○に関する契約書」などと、契約書が課税文書とされていることが分かると思います。しかし、印紙税法上の契約書は、一般的なものよりかなり範囲が広いため注意が必要です。

印紙税法上の契約書とは、名称のいかんに依らず、契約の成立、更改または契約の内容の変更、補充の事実を証明する文書のことを言います。

したがって、請書や念書など、契約の一方の当事者だけが作成するものも契約書に含まれますし、一部の署名を欠く文書であっても当事者間の了解や商慣習に基づいて契約の成立等を証明することになっているものも契約書に含まれます。

また、申込書、注文書、依頼書等など、契約の成立ではなく、契約の申込み事実を証明する目的で作成される文書は、通常は課税対象にはなりません。
しかし、実質的に見て申込みをもって契約の成立となるような、次のような文書は、一般的に契約書に該当し、課税文書とされます。

  1. 契約当事者の間の基本契約書、規約又は約款等に基づく申込みであることが記載されていて、一方の申込みにより自動的に契約が成立することとなっているもの
  2. 見積書その他の契約の相手方当事者の作成した文書等に基づく申込みであることが記載されているもの
  3. 契約当事者双方の署名又は押印があるもの

つまり、契約の成立とは、互いに対立する2個以上の意思表示の合致の事実をいいますので、それを証明する目的で作成される文書であれば、名称に依らず契約書として扱われるということです(ただし、契約の相手方当事者が別に請書等契約の成立を証明する文書を作成することが記載されているものは除かれます)。

 

契約書の写しや仮契約について

契約書は、正本(原本)の他に、写し(副本、謄本)を作成し、正本を所持していない相手方に写しを渡す場合が多いですよね。
このような写しであっても、次のようなものは、印紙税の課税対象になります。

  1. 契約当事者の双方又は文書の所持者以外の一方(つまり、相手方)の署名又は押印があるもの
  2. 契約当事者によって、正本などと相違ないことの証明や、写し、副本、謄本等であることの証明などがあるもの

相手方の署名・押印がある写しや、正本と相違ないなどと記載された写しは、契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかですから、正本と同様に課税文書になるというわけです。

印紙税においては、1つの契約について2通以上の文書が作成された場合であっても、それらが契約の成立を証明する目的で作成されたものであると判断されれば、その全部の文書が印紙税の課税対象となることに注意しましょう。
印紙税は、文書を作成する都度課税される税金ですので、たとえ1個の取引について数通の契約書が作成される場合でも全ての契約書が課税文書となります。

また、予約契約や仮契約と本契約の2度にわたって契約書が作成される場合でも、それぞれの契約書に印紙税が課税されます。つまり課税物件である文書が作成されるかぎり、その都度印紙税が課されるということです。

 

覚書について

「覚書」や「念書」といった、元の契約書の内容を変更する文書を作成する場合もあると思います。

こうした文書は変更契約書とよばれ、変更契約書によって「重要な事項」が変更された場合には、変更契約書自体も課税文書となります。

「重要な事項」とは、印紙税法基本通達別表第2「重要な事項の一覧表」において、文書の種類ごとに例示されていますが、例えば契約金額や契約期間を変更した場合には課税文書に該当することになります。

 

課税対象とならない契約書?

印紙税法上は契約の成立等を証する文書を契約書としていますので、たとえ名称に「契約書」とあっても、契約が成立していないものは課税文書とはなりません。

契約の成立には相手方が必要ですので、例えば所持する文書に自分だけの印鑑を押したものは課税対象とはなりません。当たり前ですね。

また、契約書の正本をコピーしただけのもので、相手方の署名・押印がないものや正本と相違ないことの証明がないものは、単なるコピーにすぎませんから、課税対象とはなりません。

同様に、ファックスや電子メール等により契約書を送信したとしても、正本は送付元に保存され、相手方に交付されていません。そのため、送付先で契約書が出力されたとしてもコピーと同様であり、課税対象とはなりません。

 

印紙税法上の契約書について重要な部分を説明いたしました。複雑だなと感じたかと思いますが、基本的にはその文書により契約が成立したか、つまり、互いに対立する2個以上の意思表示が合致したかによって判断していただければと思います。

 

階級定額税率の適用対象となる文書(第1号から第4号まで、第17号)

契約書の説明が長くなってしまいましたが、ここからは課税物件表に記載されている各文書について、具体的にどのような文書が当てはまるのか、また、判断の際の注意点について説明していきたいと思います。

まずは階級定額税率の適用対象となる文書(第1号から第4号まで、第17号)について説明いたします。

このパターンの文書には、以下のような契約書、手形、受益証券、受取書が該当し、課税物件表を見るとわかるように、金額に応じて段階的に印紙税額、つまり貼らなければならない収入印紙の額が増えるのが特徴です。

第1号

  • 不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書 (不動産売買契約書、土地建物売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書など)
  • 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書 (土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書など)
  • 消費貸借に関する契約書 (金銭借用証書、金銭消費貸借契約書など)
  • 運送に関する契約書 (運送契約書、貨物運送引受書、用船契約書など。なお、乗車券、乗船券、航空券及び運送状は含まれません)

第2号

  • 請負に関する契約書 (工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、会計監査契約書など)

第3号

  • 約束手形、為替手形

第4号

  • 株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、貸付信託、特定目的信託若しくは受益証券発行信託の受益証券

第17号

  • 金銭又は有価証券の受取書、領収書

 

第1号は典型的な「○○に関する契約書」に該当しますね。このような場合にはこれまで説明してきたような契約書に関する論点が当てはまります。

追加の注意事項としては、課税物件表の「印紙税額」の欄をご覧下さい。

第1号の場合、ここに「記載された契約金額が・・・」とあり、契約書に記載された金額により印紙税額が階級的に増えていくことになっています。また、契約金額の記載のないものについては印紙税額は200円となっています(契約金額が1万円未満のものは非課税です)。

印紙税法では、その文書に記載された金額や契約期間により課税物件かどうかについてや、税額がいくらかを判定します。
そのため、原則としてその文書(A)に金額や契約期間を記載せず、他の文書(B)を引用するような形にした場合には、その文書(A)には記載金額や契約期間の記載はないものと扱われます。

しかし、特に階級定額税率の適用対象となる文書についてこの取扱いを摘要すると、同じ内容の文書において、金額を直接記載したものと引用する形をとったものとで税額が変わり不公平になってしまいます。

そのため、第1号文書(不動産の譲渡契約書等)(A)については、その文書(A)に具体的な金額の記載がない場合であっても、他の文書(B)を引用することで当事者間において契約金額を明らかにすることができるときは、その金額がその文書(A)の記載金額とみなされます。

なお、このような引用している文書(B)の金額をその文書(A)の記載金額とみなす取扱いは、第2号文書(請負に関する契約書)についても同様になされます。

他の文書を引用している文書

 

第2号の請負契約書には工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、会計監査契約書などのほか、専属契約書(プロ野球選手や映画俳優なんかと結ぶあれです)も含まれます。
第1号文書と同様、契約金額が1万円未満のものは非課税です。

なお、請負に関する契約書に該当するものであっても、営業者間において継続する複数の取引の基本的な取引条件を定めるものは、第7号文書「継続的取引の基本となる契約書」(印紙税額は一律4,000円)に該当することがあります。

また、前述の通り、他の文書を引用している場合のみなし規定が適用されます。

 

第3号については、約束手形や為替手形は記載事項が法定されている要式証券ですので、課税文書に該当するかどうかや印紙税額について判断を迷うことは少ないと思います。

印紙税の納税義務者は課税文書の作成者ですので、これを手形に当てはめると、手形を完成させた人が納税義務者となります。
したがって、金額や振出人が記載されていない手形はまだ完成していないため非課税となります。

金額の記載のない手形を振り出した後で、誰かが金額を補充したときは、手形を振り出した人ではなく、金額を補充をした人が納税義務者となります。
また、振出人の署名のない手形に、引受人として署名した場合は、引受人その手形を作成したことになり納税義務者となります。

なお、記載された手形金額が10万円未満のものや手形の複本又は謄本は非課税となります。

 

第17号の金銭又は有価証券の受取書や領収書については、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」の他、受取事実を証明するための文書(請求書や納品書などに「済」とか「了」などと記入したもの)も課税文書となりますし、金銭の受取事実を証明する目的で作成されたお買上票なども課税文書となります。

税額は売上代金にかかる受取書か否かで異なっています。

注意点としては、記載された受取金額が5万円未満のものは非課税文書であり、収入印紙の貼付は不要という点です。
これは、平成26年3月31日までに作成されたものについては、「3万円未満」とされていたものが、税制改正により緩和された部分です。

また、第1号文書・第2号文書と同様に、他の文書を引用している場合には、引用されている他の文書の内容は、その文書に記載されているものするみなし規定が適用されます。

 

高額の定額税率の適用対象となる文書(第5号から第7号まで)

このパターンの文書には、以下のような文書が該当します。課税物件表を見るとわかるように、定額かつ高額な印紙税額となっているのが特徴です。

第5号

  • 合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書 ⇒ 40,000円

第6号

  • 定款 ⇒ 40,000円

第7号

  • 継続的取引の基本となる契約書 ⇒ 4,000円

 

第6号文書の定款について説明します。

課税物件表を見ると、課税物件となるのは、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社又は相互会社の設立のときに作成される定款の原本に限るとあります。
しかし、主な非課税文書の欄には、株式会社又は相互会社の定款のうち公証人法の規定により公証人が保存するもの以外のものは非課税とあります。

この2つの記述には注意が必要です。 というのも、合同会社(と合資会社、合名会社)の原始定款は課税文書とされているにも係わらず、主な非課税文書の欄の記述で非課税とされているように読めるからです。

しかし、実際には印紙税のかかる(収入印紙を貼る)定款は以下の図のようになります。

印紙税のかかる定款

すなわち、株式会社の場合には公証人による定款の認証を受ける必要があり、その定款に収入印紙を貼付することになりますが、合同会社では公証人による認証が不要なため、会社保存用の定款に収入印紙を貼付することになります。

また、印紙税が課されるのは「文書を作成したとき」ですので、紙の定款ではなく、電子定款であれば印紙税はかかりません。

株式会社の定款は公証人の認証を受けることがその効力発生の要件になっているためです。

 

一般定額税率の適用対象となる文書(第8号から第16号まで)

このパターンの文書には、以下のような文書が該当します。課税物件表を見るとわかるように、200円と割安な印紙税額となっているのが特徴です。

第8号

  • 預金証書、貯金証書 (信用金庫等の作成するもので、記載された預入額が1万円未満のものは非課税)

第9号

  • 貨物引換証、倉庫証券、船荷証券 (倉庫証券には農業倉庫証券及び連合農業倉庫証券は含まない。また、船荷証券の謄本は非課税)

第10号

  • 保険証券

第11号

  • 信用状

第12号

  • 信託行為に関する契約書(信託証書を含む)

第13号

  • 債務の保証に関する契約書 (主たる債務の契約書に併記するものは除く。また、身元保証に関する契約書は非課税)

第14号

  • 金銭又は有価証券の寄託に関する契約書

第15号

  • 債権譲渡又は債務引受けに関する契約書 (契約金額が1万円未満のものは非課税)

第16号

  • 配当金領収証、配当金振込通知書(配当金額が3千円未満のものは非課税)

 

通帳と判取帳(第18号から第20号まで)

このパターンの文書には、以下のような文書が該当します。時の経過により定期的に印紙税を納付する必要があるのが特徴です。

第18号

  • 預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険料通帳 ⇒ 1年ごとに200円

第19号

  • 消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預り通帳、金銭の受取通帳などの通帳 ⇒ 1年ごとに400円 (第18号に該当する通帳を除く)

第20号

  • 判取帳 ⇒ 1年ごとに4,000円

 

第20号文書の判取帳とは、第1号、第2号、第14号、第17号文書によって証されるべき事項について、2者以上の相手方から付込み証明を受ける目的で作成する帳簿をいいます。

「2者以上の相手方」ですので、特定の相手方1人との取引内容を付込み証明するものである通帳(第19号文書)との違いがここにあります。

 

これにて、第1号から第20号までの全ての課税文書について解説いたしました。

次はいよいよ印紙税を節約する方法について説明いたします!

 

印紙税を節約する9つの方法

それでは早速印紙税を節約する方法を順に説明いたします。

なるべくデータで送る

印紙税は、収入印紙を貼るべき文書を作成した時に納付します。ここで言う「作成した時」とは、相手方に交付する目的で作成される文書については、交付の時であるとされています。

そこで、例えばPDFなどを電子メールで送信する場合には、現物の交付がなされないので印紙税は納めなくて良いこととなります。
請求書や領収書であれば、メールに添付するだけで済むかもしれませんので、この場合には収入印紙を節約できます。

 

消費税額がいくらか分かるように記載する

しかし、契約書となるとメールだけで済ませ現物を交付しないというわけにはいきませんよね。

そこで、契約書など「階級定額税率の適用対象となる文書」の第1号文書、第2号文書、第17号文書の場合には、以下のような対策をすることで収入印紙を節約することができます。

  • 消費税(及び地方消費税)の金額を区分記載する
  • または、税込価格及び税抜価格が記載されていることによりその取引にあたって課されるべき消費税額等を明らかにする

前述のように、「階級定額税率の適用対象となる文書」については文書に記載された契約金額などが大きくなるほど収入印紙の額も大きくなるのですが、消費税額等を明らかにした場合には、その消費税額等の金額は記載金額に含めないこととされています。

例えば、請負契約書において以下のように記載すればよいということです。

  1. 「請負金額 1,080万円 税抜価格 1,000万円 消費税額等80万円」と記載
  2. 「請負金額 1,080万円 うち消費税額等80万円」と記載
  3. 「請負金額 1,000万円 消費税額等80万円 計 1,080万円」と記載
  4. 「請負金額 1,080万円 税抜価格 1,000万円」と記載

通常、請負契約書などの第2号文書の場合、契約金額が1,000万円超になると2万円の収入印紙が必要になるのですが、上記1.~4.のように消費税と区分して記載すれば契約金額は1,000万円と判定され、1万円の収入印紙でよくなります。

特に契約金額が階級付近となる場合には、消費税額を別掲することをおすすめします。

 

売価を見直す

例えば、メイン商品の価格が50,000円だった場合、50,000円以上の領収書は課税文書となりますので、その商品を売るたびに領収書に200円の収入印紙を貼らなければなりません。

しかし、49,999円であれば収入印紙を貼る必要はありません。1円値引きすることで印紙税を200円節税できるというわけです。

 

文書を分割する

また、文書を分けてしまうことで節税できる場合もあります。

文書を分割する方法には以下のパターンがあります。

  1. 課税事項とそうでない事項の両方を含む内容の文書は課税文書と非課税文書になるように分割する ⇒ 請負契約書(課税文書)と物品の売買契約(非課税文書)を別の契約書にする
  2. 階級定額税率の課税文書は税率の違いに着目して課税文書を複数作成する

1.については、課税事項でない内容は別の契約書を作成することにより、契約書に記載された金額を下げて印紙税額を減額する方法ですが、少しテクニカルです。
印紙税が高額になりそうな契約書がある場合に、顧問税理士に相談するなどして対応すれば良いでしょう。

日々の業務において簡単にできる方法としては2.の方法です。
これは、例えば、第3号文書の約束手形を振り出すとする場合、手形金額が1,500万円だとすると、この手形を1枚振り出すと4,000円の印紙税がかかります。

そこで、これを500万円と1,000万円の手形を2枚振り出すようにするのです。そうすると、印紙税は3,000円(=1,000円+2,000円)となり印紙税が安くなるというわけです(ちなみに、750万円2枚だと印紙税は2,000円×2=4,000円で、節税になりません。分け方も重要ということです)。

 

文書をまとめる

逆に文書をまとめてしまうことで節税できる場合もあります。
2つの課税文書を1つにまとめることで、課税文書としては1つとカウントされるためです。

印紙税は文書1つを単位として課されますので、例えば、請負契約書の中に、資金の借入れに関する記載があったとしても、印紙税は請負契約書1件として課税されます。

また、請負契約や不動産譲渡契約では印紙税率が一定ではないため契約をまとめてしまったほうが印紙税が安くなる場合があります(5億円弱、50億円弱のゾーンは特に税率が低めになっています)。

これも少しテクニカルな方法となりますので、顧問税理士に相談することをお勧めします。

 

コピーを渡す

契約書などは原本1通だけ作成し、相手方には副本などではなくコピーを渡すことで、印紙税を節約できます。

前述の通り、契約書の正本をコピーしただけのもので、相手方の署名・押印がないものや正本と相違ないことの証明がないものは、単なるコピーにすぎませんから、課税対象とはなりません。
ただし、何度も言いますが、コピーであっても署名・押印をしてしまうと、契約書と変わりませんので印紙税がかかってしまいます。

 

通帳や判取帳(第19・20号文書)を使う

第18号~第20号文書について思い出してください。これらは期間に応じて課税される文書でした。再掲すると以下のような文書です。

第18号

  • 預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険料通帳 ⇒ 1年ごとに200円

第19号

  • 消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預り通帳、金銭の受取通帳などの通帳 ⇒ 1年ごとに400円(第18号に該当する通帳を除く)

第20号

  • 判取帳 ⇒ 1年ごとに4,000円

通常、印紙税は課税文書が作成されるごとに課されるのですが、これらの文書は「1年ごとに○○円」となっています。

そこで、この通帳と判取帳(特に第19号文書と第20号文書)を使って節税が可能となります。
例えば、5万円以上100万円以下の領収書(第17号文書)を発行すると、領収書1枚につき200円の印紙税がかかります。

しかし、第19号文書をよく見ると「金銭の受取通帳」とありますよね。
つまり、領収書を発行するのではなく、金銭の受取通帳を作成し、そこに得意先に支払った旨のサインをしてもらえば、年間400円の印紙税のみとなり節税ができます。

また、複数の相手先からのサインを1冊の受取通帳にまとめる場合には、判取帳(第20号文書)となり、年間の印紙税は4,000円となります。

いずれも、相手先に領収書が欲しいと言われてしまっては元も子もありませんが、例えば、(サラリーマンや学生などの)税務上の必要経費を計上する予定の無い方から家賃を受け取っている場合などは、相手方も領収書までは不要と思っているかもしれませんので、提案してみる価値はあります。

ただし、判取帳に以下のような付込みがされた場合は、その付込みされた部分については、判取帳への付込みではなく、それぞれの課税文書が新たに作成されたものとみなされ、別途印紙税が課税されることとなります。

  • 第1号文書により証されるべき事項で、その付込み金額が10万円(租税特別措置法の軽減措置が適用される不動産譲渡契約書の場合は50万円)を超えたとき ⇒ 第1号文書が新たに作成されたものとみなされる
  • 第2号文書により証されるべき事項で、その付込み金額が100万円(租税特別措置法の軽減措置が適用される建設工事請負契約書の場合は200万円)を超えたとき ⇒ 第2号文書が新たに作成されたものとみなされる
  • 第17号の1文書により証されるべき事項で、その付込み金額が100万円を超えたとき ⇒ 第17号の1文書が新たに作成されたものとみなされる

 

契約書の最後の署名・押印を国外でする

印紙税が課されるのは「文書を作成したとき」であり、これは、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを「その文書の目的に従って行使したとき」を指すことは前述の通りです。

契約書であれば契約当事者同士の意思表示が合致したことが証明されたとき(通常は契約当事者の全ての署名・押印が揃ったとき)に課税義務が生じることもすでに述べました。

印紙税法は日本の国内法ですから、その適用地域は日本国内に限られます。
したがって、課税文書の作成が国外で行われる場合には、たとえその文書に基づく権利の行使が国内で行われるとしても、また、その文書の保存が国内で行われるとしても、印紙税は課税されません。

これを契約書にあてはめて考えると、自社(国内)で契約書を調整し署名・押印した後、国外の相手先に送付し、相手先が国外で署名・押印した場合には、その契約書の契約内容が国内で履行されたとしても、また、契約書の1通を自社(国内)で保存したとしても、印紙税は課税されないということになります。

ただし逆の場合、すなわち、相手先(国外)が調整し署名・押印した契約書を、自社が国内で署名・押印した場合には、国内で契約書が作成されていますので、印紙税が課税されますので注意が必要です。

なお、契約書がどこで署名・押印されたかは、後日において外形的にはわかりませんから、契約書上に作成場所を記載するなどの措置が必要になります。

 

租税特別措置法の軽減措置を利用する

平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間に作成される、次の2種類の契約書について印紙税の税率が軽減されます。

  1. 土地建物売買契約書などの不動産の譲渡に関する契約書のうち、契約書に記載された契約金額が10万円を超えるもの
  2. 建物建築工事請負契約書などの建設工事の請負に関する契約書のうち、契約書に記載された契約金額が100万円を超えるもの

詳細については、国税庁から以下のパンフレットがでていますので、そちらをご確認下さい。

どちらも印紙税が高額となることが多いため、必ず顧問税理士に相談しましょう。

 

収入印紙を貼り忘れたり、間違えてしまった場合は?

収入印紙を貼り忘れた場合

収入印紙を貼り忘れ、印紙税を納付しなかったときは、納付しなかった印紙税の額の3倍(!)の過怠税が課税されてしまいます。
税務調査では、収入印紙の購入履歴と未使用高から、使った収入印紙の額を算定し、これと領収書の控えなどを突き合わせることで、収入印紙を貼っていない課税文書が存在しないかを調査します。

過怠税は、たとえ印紙税が課税されることを知らなかったり、収入印紙を貼り忘れた場合であっても課税され、印紙税額の3倍というのは非常に重い罰だといえます。
なお、過怠税は罰金的な性格のものですので損金や必要経費に算入することはできません。

ただ、印紙税は法人税や所得税とは税務調査の考え方が微妙に違う点もあるため、過怠税額がいくらになるかは税務調査に立ち会う顧問税理士の腕次第ともいえます(印紙税は税理士試験の科目でもありませんし、そもそも税理士法で税理士業務から除かれてますので、税理士も意外と苦手な論点だったりするんですが…)。

また、文書に貼り付けた収入印紙に所定の方法で消印をしなかったときには、過怠税は少し軽減されて収入印紙額の2倍となります。

収入印紙を貼っていないこと、つまり誤りだったこと認めて自主的に申し出た場合には、過怠税は3倍ではなく1.1倍となります。

 

収入印紙を多めに貼ってしまった場合

収入印紙を貼っていなかったのではなく、印紙税を納付する必要がない文書に誤って収入印紙を貼ってしまったり、必要な金額より多く貼ってしまった場合には、その文書を所轄税務署に持っていけば印紙税を還付してもらえます。

このとき、持っていく文書は間違ったままの状態で持っていってください。

ただし、国の各種手数料の納付などに貼った収入印紙が誤っていた場合には、残念ながら印紙税は還付されません。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

事業をしていると収入印紙はよく目にしますが、それが貼られているのは印紙税という税法が関係していることがお分かりいただけたと思います。
そして、印紙税は意外と複雑で、節税方法も多様にあることもお分かりいただけたのではないでしょうか?

身近な税金こそ、コツコツ節税することで大きな効果が得られます。是非この記事を参考に取り組んでみてください!

 

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