IT導入補助金で業界がザワついています。IT導入補助金申請の注意点を解説!

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IT導入補助金で業界がザワついています。IT導入補助金申請の注意点を解説!

ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金の公募が終わり、いよいよIT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)の公募が始まりました。

平成28年新潟県糸魚川市における大規模火災の被災事業者については、小規模事業者持続化補助金の公募終了日が平成29年2月28日に延長されています。

今年から始まった補助金で、実際のところどのような運用になるのかがまだ微妙に分からないのですが、業界柄、弊所にもいくつかのITベンダーさんから補助金説明会のお知らせが届いたり、担当者さんが来所されたりしてます。

確かに、ITベンダーさんにとっては、売上を上げ、シェアを拡大する大きなチャンスですからね。会計システムやCRMなどはスイッチングコストが高く、この機会に乗じて新規顧客を獲得してやろうと鼻息が荒くなるのも分かります。

もちろん事業者の皆さんにとってもメリットがある制度なんですが、ちょっとした注意点もありますので、今回はこのIT導入補助金について説明したいと思います。

追記;
二次公募も決定したようです。申請期間は、平成29年3月中旬~6月30日の予定となっています。

IT導入補助金の概要

まずは、IT導入補助金がどんな補助金なのか概要をまとめてみます。

補助対象者 日本国内に本社及び実施場所を有する中小企業者等
補助上限額 100万円(下限額20万円)
補助率 2/3以内
補助対象事業 IT導入補助金事務局が認定した「IT 導入支援事業者」が登録するITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する、日本国内で実施される事業であること。
補助対象経費 サービス、ソフトウエア導入費

補助対象者となる中小企業者等とは、「中小企業等経営強化法」第2条第1項に規定されている者並びに医療法人、社会福祉法人及び特定非営利活動法人を原則としますが、発行済株式の総数の2分の1以上を同一の大企業に所有されている場合などは対象者から除かれます。

補助上限額、つまり補助金としてもらえる額は100万円まで、補助率はものづくり補助金や、小規模事業者持続化補助金と同じ2/3です。

つまり、150万円の経費を使った場合、その2/3の100万円が補助されるという仕組みです。つまり1/3は自己負担ということですね。

ただし、どんな経費でも補助の対象となるわけではありません。補助対象経費に掲げられている「サービス、ソフトウエア導入費」のみが補助の対象です。

それでは、この補助対象経費の中身を確認していきましょう。

 

補助対象経費「サービス、ソフトウエア導入費」とは?

公募要領を見ると、こんな感じで記載されています。

(7)サービス、ソフトウエア導入費に含まれる経費

サービス、ソフトウエア導入費については、以下の内容が含まれることを想定しています。具体的な内容については、事務局のホームページに登録されている IT ツールの情報を確認いただくか、IT ツールを提供している IT 導入支援事業者に問い合わせてください。

パッケージソフトの本体費用

クラウドサービスの導入・初期費用

③クラウドサービスにおける契約書記載の運用開始日(導入日)から 1 年分までのサービス利用料・ライセンス/アカウント料

④パッケージソフトのインストールに関する費用

⑤ミドルウエアのインストールに関する費用

⑥動作確認に関する費用

⑦IT ツール(ソフトウエア、サービス等)の導入に伴う教育、操作指導に関する費用、事業計画策定に係わるコンサルテーション費用(ただし関連会社、取引会社への説明会等費用は補助対象外)

⑧契約書記載の運用開始日(導入日)から 1 年分までの問い合わせ・サポート対応に関する費用、保守費用

⑨社外・社内・取引先向けホームページ制作サービス初期費用

⑩契約書記載の運用開始日(導入日)から 1 年間の WEB サーバー利用料(ただし、既存ホームページの日常的な更新・改修費用は、補助対象外)

「想定しています」だなんて、なんだか頼り無いですね。とはいえ、パッケージソフトの本体費用やクラウドサービスの導入費用・利用料・サポート費用・サーバー利用料が対象となるということですから、通常イメージされるITツールの導入費用とそれほど相違はないと思いますし、不安であれば後述のIT導入支援事業者に問い合わせればよいと思います。

 

IT導入補助金の公募から補助金交付までの流れ

それではIT導入補助金の公募から、交付決定、補助金の交付までの流れを見ていきましょう。以下の図をご覧下さい。

IT導入補助金のフロー 公募要領より

IT導入補助金のフロー 公募要領より

①の「要領、IT導入支援事業者・サービスの公表、紹介」は既に行われました。

要領はこちら、IT導入支援事業者・サービスの公表、紹介はこちらから検索できます。

④⑤補助金交付の申請をし、⑥交付決定された後に⑦ITサービスなどの発注や契約を行うというのも他の補助金と同じ流れですね。交付決定前に契約して発生した経費は補助対象とならないということです。

また、実際に補助金を受け取れるのは⑫の時ですから、⑨の支払から⑫の補助金交付までは、手持ちの資金でやりくりする必要があります

 

IT導入補助金の申請の方法は?

IT導入補助金で特徴的なのは、先ほどの図で中央に位置する「IT導入支援事業者」の存在です。

補助対象が「IT 導入支援事業者が登録するソフトウエア、サービスの導入費」ですから、補助金を受けようとする事業者は、まず④IT導入支援事業者に補助金交付の代理申請依頼をし、その後⑤IT導入支援事業者が補助金交付に係る代理申請をするという流れです。

具体的には、補助金を受けようとする事業者は、以下の申請書類を作成し、IT導入支援事業者に提供・代理申請依頼を行います。

  • 【様式第1】交付申請書
  • 【別紙1】補助事業者情報登録申請書
  • 【別紙2】事業計画書(補助金額により様式が変わります)
  • 【別紙3】導入ITツール(ソフトウエア、サービス等)申請書
  • 【別紙4】補助事業申請に伴う宣誓事項
  • 【添付書類1】法人の履歴事項全部証明書の写し、または個人事業主の場合は開業届の控の写し
  • 【添付書類2】経営力向上計画認定の写し

その後、IT導入支援事業者は代理で電子申請を行い、事務局の審査を勝ち抜けば交付決定となります。交付決定は直接、補助金を受けようとする事業者に通知されるとともに、IT導入支援事業者にも通知されます。また、事務局のHPにおいて社名が公表されます

 

IT導入補助金の交付決定の後は?

交付決定通知を受けた後、実際にITツールの導入を行います。事業実施期間が2017年5月31日までとなっていますので、それまでにITツールの導入を行わなければ補助金はもらえません。

さらに、ITツールの導入後、30日以内(遅くても2017年6月15日まで)に、実績を報告しなければなりません。

実績報告は、実績報告書を作成し、必要な証憑類を整えた上で、IT導入支援事業者による代行申請を通じて事務局に提出することで行います。必要な証憑類とは以下のようなものです。

  • 発注、契約にかかわるもの(契約書、発注書、請書等)
  • 納品、検収にかかわるもの(納品書、導入完了の通知等)
  • 支払いがなされたことがわかるもの(請求書、領収書、クレジット決済控え等)

なお、『証憑類は原則、補助事業者、IT 導入支援事業者の双方の事業社名の記載が必要となります。契約書、発注書、納品書、導入完了の通知などには、必ず IT ツールの登録申請により認定された「 IT ツール(ソフトウエア、サービス等)名」と同一の名称を記載してくださいこの実績報告は以下のように行います。』と注意書きがありますが、これはIT導入支援事業者がコントロールしてくれると思いますので、それほど心配しなくて良いでしょう。

 

事業報告、補助金受領後にもやることがあります

事業報告を終え、ようやく補助金を受け取ったとしても、それで終わりではありません。

補助金を受け取った事業者は、原則として、作成した事業計画について、ITツールを導入した結果を補助事業開始から2021年3月までの間、毎年3月末日を目途にIT導入支援事業者に報告しなければなりません。

ITツールを導入した結果とは、労働生産性に係る情報導入したITツールによる生産性向上指数に類する独自の数値目標の向上に係る情報のことを言い、それぞれ具体的には以下のような情報を指します。

  • 労働生産性に係る情報;
    売上高、原価、従業員数及び就業時間
  • 独自の数値目標の向上に係る情報;
    従業員あたり顧客数、従業員あたりの外国人客数、営業員あたりの取引業者数、営業員あたりの取引品目数、従業員あたり診療報酬点数等、従業員あたり製造量又は生産量、時間あたりの顧客数(配送数・接客数等)など

つまり、およそ4年間にわたって、これらの情報を実績から算定しIT導入支援事業者に開示する必要があるということです。

この点は単に手間がかかるというだけでなく、これらの情報をITベンダーに開示することの是非を社内で検討しておくべきでしょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

IT導入補助金について特に注意したい点を解説いたしました。

その他の要件(例えば、経営力向上計画おもてなし規格認証を取っておいたほうが良い)等については、IT導入支援事業者が申請書を作成する際にサポートしてくれると思いますが、念のため公募要領に一度目を通しておいてください。補助金ですから、申請すれば必ず交付されるというわけではありません。審査項目をよく読んで、高得点を取れる申請書をIT導入支援事業者のサポートを受けながら作成するようにしましょう。

ITツールの導入を計画している場合には非常に使い勝手の良い補助金だとは思いますが、実績報告にも手間がかかりますし、経営情報のIT導入支援事業者への開示など、経営判断が問われる面もあります。むしろこの辺りの話を丁寧にしてくれないIT導入支援事業者からITツールを導入すると、後々トラブルになる可能性も十分にあります。

今回の公募は2017年2月28日までですが、二次公募もあるようですので、あまり性急に飛びつくのではなく、じっくり判断してから取り掛かるのが良いのではと個人的には思っています。

 

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