私の住民税はいくら?住民税の計算方法と納付方法

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住民税

住民税とは

一般的に、「都道府県民税」と「市区町村民税」との2つを総称して住民税と呼びます。

なお、地方自治体からの行政サービスは、個人だけではなく法人も同じように享受しますので、住民税は個人、法人どちらも対象です。
個人に課されるものは「個人住民税」、会社等の法人に課されるものは「法人住民税」と呼ばれていますが、本稿では、個人住民税にフォーカスして説明をしていきますので、以下、単に「住民税」と言った場合には、個人住民税を指します。

住民税は、1月1日に住所がある自治体(都道府県や市区町村)に収める税金で、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課税される「所得割」と、所得金額にかかわらず定額で課税される「均等割」があります。

前年の所得に対して課税される点について、サラリーマンの方はあまり気にする必要はないかもしれませんが、毎年収入の変動する個人事業主だと少し注意が必要です。

課税対象となる期間が前年ですので、前年に比べ大きく収入が減ってしまった場合などは税金が払えないといった事態が生じ得るためです。ですので、大きく儲かった年は、来年に住民税が多額に課せられるということを想定して、納税資金を確保しておく必要があります。

また、住民税の納付先は1月1日に住所がある都道府県などですので、引っ越しをした場合には、1月1日現在で居住していた都道府県、市町村に納付しなければいけません

ちなみに、「ウチの県は住民税が高い」とか「あそこは住民税が安いらしいよ」などという話を聞いたことがあるかもしれません。
住民税はどこに住んでいても変わらないというのが原則なんですが、自治体の権限で税率を変えることができるので、住民税の高いところ、安いところ、というのは実際には存在します。

また、住民税には、上記の「所得割」「均等割」のほか、金融商品に関連する「利子割」「配当割」「株式等譲渡所得割」という種類の住民税もあります。

「利子割」とは、預貯金の利子等に課税されるものでして、実は皆さんの預貯金口座の利息は、所得税15%と住民税5%が天引きされて入金されていて、天引き後の金額が記帳されています。そして、この天引きされた住民税5%分が利子割です。

「配当割」と「株式等譲渡所得割」はどちらも株の取引に関係するもので、一定の上場株式等の配当や源泉徴収口座内の株式等の売却益に課税されます。

配当割については、上場会社等が配当支払時に源泉徴収し、配当を受ける個人の住所所在地の都道府県に申告納入しますので、個人からの配当割の申告は原則として不要です。
上場株式等の配当等については、所得税と住民税の天引きをしてくれ、確定申告が不要な口座があります(特定口座・源泉徴収あり)。
こういった口座を利用して所得税や配当割の源泉徴収のみで課税関係を終わらせる場合には、所得税や住民税における「配偶者控除」や「扶養控除」の適用の有無を判定する際の合計所得金額に含まれませんが、確定申告をした場合には、合計所得金額に含まれますので注意してください

一方で、非上場株式等の配当については、所得税(と復興特別所得税)が源泉徴収されるのみですので、住民税については個人で申告しなければなりません。非上場株式等の配当については、個人住民税として総合課税されます。
総合課税されるということは、配当控除を適用できるということでもあります。
住民税の所得控除については、後述の「住民税の計算方法」のセクションをご覧下さい。(所得税の所得控除については「保存版-迷える個人事業主に贈る、確定申告の所得控除全項目」をご覧下さい)。

 

住民税の計算方法

住民税額は、毎年5月までに決定され、6月から納税開始となります。

最終的に住民税は以下の式によって計算されます。

住民税額=所得割+均等割-調整控除

所得割、均等割、調整控除のそれぞれに、市区町村民税部分と都道府県民税がありますので、ご注意下さい。

それでは一つずつ計算方法を解説していきます。

 

所得割の求め方

所得割は以下の計算式で計算されます。

所得割額=(前年の総所得金額等-所得控除額)×税率-税額控除額

上式を見て分かるように、住民税所得割も所得税と同じように、所得から各控除を差し引いたものに税率をかけ、その後税額控除が差し引かれ税額が決定されます。

再三申し上げますが、所得税との違いは、前年の総所得金額が計算根拠となっている点です。

また、サラリーマンの方は上式の「前年の総所得金額等」とは、前年分の源泉徴収票に記載されている「給与所得控除後の金額」がそれにあたります。

「前年の総所得金額等」から差し引かれる、住民税の所得控除は以下の通りです。

雑損控除

雑損控除の額は次1.または2.のいずれか多いほうとなります。

  1. 損失額(保険金などの補填額を除く)-総所得金額等×10%
  2. 災害関連支出の金額-50,000円

 

医療費控除

医療費控除は以下の式で計算された額ですが、200万円が控除限度額となります。また、「総所得金額等×5%」の部分は10万円が限度額となります。

前年中に支払った医療費(保険金等の補填額を除く)- 総所得金額等×5%

 

社会保険料控除

社会保険料控除の額は、前年中に支払った額がそのまま所得控除額となります。

 

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除の額は、前年中に支払った額がそのまま所得控除額となります。

 

生命保険料控除(合計限度額は7万円)

  • 一般の生命保険料
    (平成23年以前加入)は最高35,000円
    (平成24年以後加入)は最高28,000円
  • 介護医療保険料
    (平成24年以後加入)は最高28,000円
  • 個人年金保険料
    (平成23年以前加入)は最高35,000円
    (平成24年以後加入)は最高28,000円

 

地震保険料控除

最高25,000円

 

障害者控除

本人・控除対象配偶者・扶養親族(一人につき)26万円
特別障害者の場合は30万円
控除対象配偶者又は扶養親族が同居の特別障害者の場合は53万円

 

寡婦(夫)控除(所得要件あり)

本人が寡婦又は寡夫の場合26万円
ただし、特定の寡婦(前年の合計所得金額が500万円以下で扶養親族の子がいる場合)は30万円

 

勤労学生控除(所得要件あり)

本人が勤労学生 26万円

 

配偶者控除(いずれも所得要件あり)

一般の配偶者は33万円
70歳以上の配偶者は33万円

 

配偶者特別控除(所得要件あり)

最高33万円

 

扶養控除(いずれも所得要件あり)

一般の扶養親族(16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満)は33万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満の扶養親族)は45万円
70歳以上の扶養親族は38万円
70歳以上の同居の親等は45万円

 

基礎控除

33万円

前年の総所得金額等から上記のような所得控除額を差し引いた後の金額に、住民税率を乗じます。

標準税率は市区町村民税が6%、都道府県民税が4%で合計10%が原則ですが、前述のように各自治体で増額、減額している自治体もわずかながらあります。

そして、最後に税額控除額を差引いて、住民税所得割額が求められます。

住民税の税額控除は以下の通りです。

配当控除

株式の配当などの配当所得がある場合、その金額に一定の率を乗じた金額が控除されます。

 

外国税額控除

外国において生じた所得で、その国の所得税や住民税に相当する税金を課税された場合、一定の方法により計算された金額が控除されます。

 

寄附金税額控除

地方自治体や一定の団体等に対して2,000円を超える寄附金を支払った場合、個人住民税から控除することができます。

 

住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)

所得税の住宅借入金等特別税額控除を受けている方で、一定の要件を満たす方について、所得税における住宅借入金等特別控除可能額で、所得税において控除しきれなかった額が個人住民税所得割額から控除されます。

 

なお、所得税の税額控除項目については「保存版-迷える個人事業主に贈る、確定申告の税額控除全項目」をご覧下さい。

 

均等割の求め方

一方、均等割とは、所得金額に関係なく、皆が均等に課せられる部分です(非課税となる条件もあり)。平成26年度から平成35年度までの標準税率は、市区町村税が3,500円、都道府県税が1,500円となっています。

均等割についてもほぼ全ての自治体でこの標準税率が採用されていますが、増額している自治体もあります。

 

調整控除の求め方

平成19年度に実施された税源移譲に伴い、住民税の税率が引き上げられるとともに、所得税の税率が引き下げられました。しかし、税率を増減しただけでは住民税と所得税を合計した納税者の税負担は増えてしまいます。

これは、住民税の人的控除(扶養控除や基礎控除など、所得控除のうち人に関するもの)が、所得税の人的控除より控除額が少ないためです。

住民税と所得税で人的控除にいくら差があるかは以下の表をご覧ください。

所得税と住民税の人的控除額の差

そして、負担増を調整するため、住民税の所得割額から一定の額が控除され、これを調整控除と言います。

控除される額は、合計課税所得金額が200万円以下か超かによって、以下のように計算が異なります。

合計課税所得金額とは、所得控除後の課税総所得金額、課税退職所得金額および山林所得金額の合計額で、長期譲渡所得などの分離課税に係る課税所得金額を含みません。

控除される額は、以下の通りです。

合計課税所得金額が200万円以下の場合

次の1.か2.のいずれか少ない金額の5%(市区町村民税3%・都道府県民税2%)を控除

  1. 人的控除額の差の合計額
  2. 合計課税所得金額

 

合計課税所得金額が200万円を超える場合

{人的控除額の差の合計額-(合計課税所得金額-200万円)}の5%(市区町村民税3%・都道府県民税2%)を控除

この金額が2,500円未満の場合は、2,500円となります。

この調整控除の額を市区町村民税(所得割+均等割)および都道府県民税(所得割+均等割)からそれぞれ控除することで、正確な市区町村民税、都道府県民税が計算されます。

表で示せば、以下のようになります。

住民税まとめ表

 

住民税の確認方法

サラリーマンの方は源泉徴収票を会社から交付されると思いますが、源泉徴収票には住民税の金額は記載されていません。

そのため、サラリーマンの方であっても、個人事業主の方であっても、住民税の額を確認するには課税(納税)証明書を役所で入手する必要があります。

 

住民税の納付方法

住民税を納める方法は、サラリーマンとそうでない人とで異なります。

具体的には、「特別徴収」と「普通徴収」という2つの方法があります。

まずは、給与所得者であるサラリーマンの方が通常選択している特別徴収から説明します。

 

特別徴収

給与所得者は、給与を支払う者(会社などの事業主)が、その年の6月から翌年の5月までの12回に分けて、毎月の給与から天引きします。

特別徴収の図

天引きされた住民税は、事業主が従業員の住んでいる区市町村ごとに納付します。

また、65歳以上の公的年金受給者で個人住民税を納税されている方については、公的年金から特別徴収されます。

ちなみに、今話題のふるさと納税をした場合について考えてみると、住民税は前年の収入を基に計算されますので、2015年中にふるさと納税を行ったとすると、2016年6月以降に納める2015年度の税金について、本来の納付税額より安くなるということになります。

一方、所得税の場合は、2015年の所得税が安くなり、銀行口座など指定した口座に控除額が振り込まれます。

 

普通徴収

個人事業主など、特別徴収をしていない方は普通徴収することとなります。

これは、通常、毎年6月に、市区町村から納税義務者に税額通知書(納付書)が送付され、送付される納税通知書で、年4回に分けて納めます。

 

まとめ

住民税の仕組みについてお分かりいただけたでしょうか?

住民税の計算については、前年の総収入金額に基づいて計算されるというのがポイントです。

ふるさと納税などでも何かと話題にあがることが増えてきた住民税について、ご理解いただけたなら幸いです!

 

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