固定資産税が3年間半額に!経営力向上計画とは?!

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固定資産税が3年間半額に!経営力向上計画とは?!

 

先日(2016年7月4日)、ついに「策定・活用の手引き」が公表された、経営力向上計画。この計画を策定し、後述する担当省庁から認定を受けることで様々なメリットを受けることが可能となります!

各所で話題となっていますので、気になっている方も多いのではないでしょうか?もし、知らないという方がいらっしゃれば、必ず本稿で確認しておいてください。

実質2ページの簡単な申請書で、大きなメリットが受けられる(というより、認定を受けないと大きなデメリットがある)制度ですよ!

今回はこの経営力向上計画について、詳しく説明いたします。

経営力向上計画とは

経営力向上計画とは、自社の現状を分析し、商品・サービスの見直し、管理会計の導入、人材育成といった自社の「経営力、稼ぐ力」の向上によって、自社の経営指標を向上させようとする事業者を応援する計画です。

経営力向上計画を策定することで、様々な支援措置を受けられる可能性があります。

経営力向上計画の策定・申請方法を説明する前に、この経営力向上計画を策定し、担当省庁に認定を受けることでどんなメリットがあるのかについてご説明します。

 

経営力向上計画を策定するメリット

それでは早速、経営力向上計画を策定することによるメリットを見ていきましょう。

具体的には以下のような支援を受けられる可能性があります。

  • 経営力向上計画が認定されると、固定資産税が3年間半額
  • 経営力向上計画を策定すると、商工中金による低利融資
  • 経営力向上計画の実行にあたり、保証協会の別枠設定保証枠の拡大
  • 経営力向上計画が認定されると、中小企業投資育成株式会社からの投資対象に!
  • 経営力向上計画が認定されると、政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジットを発行!
  • 経営力向上計画の実行にあたり、中小企業基盤整備機構による債務保証!
  • 経営力向上計画の実行にあたり、食品製造業者に対し食品流通構造改善機構が保証!

 

もちろん全ての支援措置を必ず受けられるというわけではありません。特に金融支援を受けようと思っている方は、計画策定前に金融機関に相談に行くことをお勧めします。

しかし、これらの支援を受けられる可能性をみすみす逃す手はありません!特に、固定資産税の3年間半額は、今回の目玉ですので詳しく説明いたします。

 

経営力向上計画が認定されると、固定資産税が3年間半額に!

資本金が1億円以下の会社や個人事業主が、経営力向上計画の認定を受けた場合、その経営力向上計画に基づいて平成31年3月31日までに新たに購入した機械装置にかかる固定資産税が、その翌年度から3年間半額になります。

経営力向上計画に係る様々な支援措置のうち、これが最も大きなメリットだと思います。

というのも、これまで法人税や所得税が軽減される特例は様々ありましたが、これらは税金を払う企業、すなわち黒字企業ほど効果の大きいものでした。

しかし、固定資産税というのは赤字企業でも納付しなければならない税金ですので、そのインパクトはとても大きいです。

後述するように、経営力向上計画の申請書はとてもシンプルですので、このメリットを享受しない手はありません。イメージとしては、経営力向上計画の認定を受けなければ、他社に比べて固定資産税を2倍払っているということになるでしょう。

ちなみに、固定資産税が半額となるのは、以下の機械装置が対象です。

  • 新品であること
  • 販売開始から10年以内のもの(最新モデルでなくても可)
  • 160万円以上であること
  • 生産性を年平均1%向上させるものであること

これらを証明するために工業会から証明書を入手し、申請書に添付することとなります。設備メーカーを通じて、購入予定の設備を担当する工業会による証明書の発行を申請しましょう。

機械装置が対象ですが、製造業に限った話ではありません。

例えば、以下のような設備が該当するものと考えられます。

  • 卸・小売業における、大型の冷蔵庫、精穀設備、販売のために小分けする加工設備、ガソリンスタンド設備など
  • 外食・中食業における、厨房設備、食品加工設備など
  • 宿泊業における、業務用の厨房設備、業務用のクリーニング設備、浴場用設備など
  • 運送業における、可搬式クレーン、可搬式コンベアなど
  • 介護業における、給食用設備、介護入力装置など

固定資産税は各市町村の所管ですので、不明な点は市町村に問い合わせましょう。

 

経営力向上計画はどのように策定すれば良いの?

大きなメリットのある経営力向上計画ですが、適切に計画策定しなければこれらのメリットを受けることができません。経営力向上計画の策定方法について説明していきたいと思います。

まずは経営力向上計画認定申請書を以下のリンクから入手しましょう。

見てお分かりになるように、4ページ目と5ページ目の実質2ページ記入するだけという簡単な申請書となっています。

注意が必要な項目について、説明いたします。

 

5 経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標

4ページ目の最後に「5 経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標」という欄がありますね。

つまり経営力向上計画は、目標となる指標を設定し、その数値が現状から計画終了時まででどれくらい伸ばしたいかを計画するものなのです。

計画期間は3年~5年で、目標とする指標は原則として労働生産性(伸び率は5年計画では2%以上、4年計画では1.5%以上、3年計画では1%以上)となっています。

労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量(労働者数 or 労働者数かける1人当たり年間就業時間)

ただし、ここで気をつけなければならないのが、経営力向上計画は事業分野(業種)によっては、それぞれの事業分野を所管する省庁において、「事業分野別指針」というものを策定している場合がます。

その場合には、事業分野別指針で示された指標を目標指標としなければなりません

現在、製造業、卸・小売業、外食・中食、宿泊、医療、介護、保育、貨物自動車運送業、障害福祉、船舶、自動車整備といった業種に事業分野別指針がありますので、該当する方は確認しておく必要があります。

例えば、製造業であれば、次のいずれかの指標を目標とすることが求められています。

  • 労働生産性(伸び率は5年計画では2%以上、4年計画では5%以上、3年計画では1%以上)
  • 売上計上利益率(伸び率は5年計画では5%以上、4年計画では4%以上、3年計画では3%以上)
  • 付加価値額(伸び率は5年計画では2%以上、4年計画では5%以上、3年計画では1%以上)

 

6 経営力向上の内容

5ページ目には「6 経営力向上の内容」という項目があります。

ここには、具体的な取組内容を記載しますが、ここでも事業分野別の指針がある業種では、事業分野別指針で計画に織り込まなければならない内容が定められています

例えば、製造業の事業別分野指針にはこれら数値目標だけでなく、以下のような実施項目も掲げられていて、会社規模に応じて、これらの項目を計画に反映させなければなりません。

  • 多能工化及び機械の多台持ちの推進
  • 継続的な改善提案の奨励
  • 実際原価の把握とこれを踏まえた値付けの実行
  • 製品の設計、開発、製造及び販売の各工程を通じた費用の管理
  • 異なる製品間の部品や原材料等の共通化
  • 暗黙知の形式知化
  • 知的財産権等の保護の強化
  • 営業活動から得られた顧客の要望等の製品企画、設計、開発等への反映
  • 海外の顧客に対応出来る営業及び販売体制の構築
  • 他の事業者と連携した製造体制の構築による受注機会の増大
  • 設備投資
  • ロボットの導入又は増設
  • ITの導入等

 

なお、「新事業活動への該非」は、行おうとする実施事項が新事業活動である場合に〇を記入します。これにより保証協会の別枠設定や保証枠の拡大というメリットを受けられます。

 

8 経営力向上設備等の種類

固定資産税の3年間半額というメリットを受ける場合に、記載が必要な項目が「8 経営力向上設備等の種類」です。

繰り返しになりますが、工業会による証明書の添付も必要になります。

また、対象となる設備等には、所有権移転リースはもちろん、所有権移転外リースの設備等も含まれます。さらに、自ら作成する設備やオーダーメイド品も対象となります。

 

その他の項目

その他の項目についてはさほど悩むことなく記入できるのではないかと思います。

もし迷うようでしたら、経営力向上計画の策定を認定支援機関がサポートすることを国が要請していますので、認定支援機関に策定支援を依頼してみても良いでしょう。

認定支援機関とは、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関です。
ビズバ!を運営する会計事務所シンシアも認定支援機関ですので、経営力向上計画策定支援をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。 

また、経営力向上計画策定に関する支援ツールとして、「ローカルベンチマーク」や「経営計画つくるくん」の利用も推奨されていますので、これらのツールも有効活用しましょう。

 

経営力向上計画申請における注意点

最後に、その他の注意点について解説していきます。

機械装置の取得タイミングに注意

基本的に、機械装置の取得は経営力向上計画の認定の後となりますが、機械装置を取得した後に経営力向上計画を申請しても構いません。

ただし、その場合には取得日から60日以内に経営力向上計画が受理される必要があります。

固定資産税の軽減を受ける際に必要な工業会の証明書は発行までに2ヶ月ほどかかる場合がありますので、計画策定から申請、機械装置の取得までスケジュールを決めて段取りすることが大切です。

 

企業規模によって受けられる支援措置が決まっています。

前述した各種の支援措置ですが、それぞれの支援措置を受けられる企業規模が明確に決まっています。以下の表を参考に、御社がどこにあてはまるかを判定してください。

中小企業・中小企業者等の範囲

「-中小企業等経営力強化法-経営力向上計画策定・活用の手引き」-中小企業庁

 

事業分野(業種)によって、経営力向上計画の認定申請書の提出先が違います。

認定申請書の宛名は、経営力向上計画の事業分野を所管する大臣です。

したがって、事業分野別に提出先が異なりますので注意が必要です。

提出先については中小企業庁企画課の相談窓口へお問い合わせください。

  • 中小企業庁企画課- 03-3501-1957

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

新しく始まった経営力向上計画制度ですが、実質2ページという簡単な申請書で大きなメリットを受けられることがお分かりいただけたと思います。

また、先日発表された「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の二次公募でも、経営力向上計画が認定されていれば加点されることが明らかになりました。今後、他の補助金についても経営力向上計画に認定が加点材料とされることが予想されます。

これからは経営力向上計画の認定を受けることはマストとなり、冒頭で申し上げたとおり、認定を受けなければ固定資産税を2倍払っているという感覚になるかと思われます。

必ず認定を受けるようにしましょう!

会計事務所シンシアでは、各種経営計画策定のサポートをしています。

現在の状況と将来のビジョンとのギャップを埋めるためには、適切な戦略立案・計画策定は欠かせません。

戦略の立案と計画の策定は、ビズバ!を運営する会計事務所シンシアが提唱するSINCERE VISION BASED METHODの真骨頂でもあります。

経済産業大臣より認定を受けた経営革新等支援機関であるシンシアでは、経営改善計画、経営革新計画、経営力向上計画、事業再生計画などの策定を、経験豊富なスタッフが支援しています。


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