決算短信って何だ?ウチも必要?記載内容は?提出期限は?

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決算短信って何だ?ウチも必要?記載内容は?提出期限は?

皆さん「決算短信」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

決算短信とは、株式を証券取引所に上場している企業が、証券取引所の適時開示ルールに則り作成し、提出する決算速報のことを言います。

企業は、会社法においては決算公告が、金融商品取引法においては有価証券報告書の提出が求められており、これらは法定開示、すなわち法律で要求される開示です。

一方、決算短信は証券取引所の自主規制に基づく開示ですので、法律で定められているわけではありません。

決算公告や有価証券報告書があるにもかかわらず、さらに決算短信が求められるのにはわけがあります。
有価証券報告書の提出は3ヶ月以内(決算公告は株主総会の承認後遅滞なく)にしなければならないとされていますが、これでは投資家が企業の状況を把握するにはタイミングが遅すぎます。

そこで、企業の状況を、多少の正確さは犠牲にしてたとしても、なるべく早く投資家へ知らせるために、決算短信の作成が要請されているのです。

決算短信はいつまでに開示するの?

2015年4月1日以後開始する連結会計年度の通期決算及び各四半期決算に係る決算短信及び四半期決算短信から適用される「決算短信・四半期決算短信作成要領等」が東京証券取引所から発表されています。

この作成要領では以下のように記載されています(赤字は筆者が追加)。

(1)上場規程に基づく開示義務

上場会社は、「事業年度若しくは四半期累計期間又は連結会計年度若しくは四半期連結累計期間に係る決算の内容が定まった場合」は、所定の「決算短信(サマリー情報)」又は「四半期決算短信(サマリー情報)」により、直ちにその内容を開示することが義務付けられています

【上場規程第404条】

・・・

(2)決算短信等の開示に関する要請事項

・・・東証では、・・・以下のような要請を上場会社に対して行っています。

① 決算発表の早期化の要請

〔決算短信の開示時期について〕

  • ・・・上場会社においては決算期末の経過後速やかに決算の内容のとりまとめを行うことが望まれます。
  • とりわけ、事業年度又は連結会計年度に係る決算については、遅くとも決算期末後45日(45日目が休日である場合は、翌営業日)以内に内容のとりまとめを行い、その開示を行うことが適当であり、決算期末後30日以内(期末が月末である場合は、翌月内)の開示が、より望ましいものと考えられます・・・。
  • なお、事業年度又は連結会計年度に係る決算の内容の開示時期が、決算期末後50日(50日目が休日である場合は、その翌営業日)を超えることとなった場合には、決算の内容の開示後遅滞なく、その理由(開示時期が決算期末後50日を超えることとなった事情)及び翌事業年度又は翌連結会計年度以降における決算の内容の開示時期に係る見込み又は計画について開示してください

上記のとおり、上場会社は、事業年度の内容が定まった場合は、直ちに決算短信を開示することが義務付けられています。そして「直ちに」とは遅くとも45日以内が適当だとされています。

なお、決算短信は、各証券取引所が提供する「適時開示情報閲覧サービス-TDNet」から閲覧することができます。

ちなみに、有価証券報告書は金融庁が運営する「EDINET」から閲覧できます。

 

【参考】四半期決算短信の開示時期について

四半期決算の内容の開示については、金融商品取引法の四半期報告書の法定提出期限が四半期終了後45日以内とされているため、上述の「決算発表の早期化の要請」の対象とはなっていません。

しかしながら、上場会社は、四半期決算の内容が定まったときには、直ちにその内容を開示することが義務付けられているため、四半期決算の内容が定まったにもかかわらず、その開示時期を遅延させることはできません。したがって、遅くとも、金融商品取引法に基づく四半期報告書の提出までには、四半期決算発表を行うことになります。

 

決算短信の構成は?

決算短信は、「サマリー情報」と「添付資料」で構成されます。

サマリー情報は、上場会社の決算の内容について、特に投資者の投資判断に重要な影響を与える事項を簡潔に取りまとめ作成します。要点の一覧性や他社との比較可能性を確保する観点から、様式が定められています。

一方、添付資料は、最低限の開示内容として求められている事項のほか、企業自身が投資者の投資判断情報として有用であると思うものについては、適宜、経営成績又は財政状態に関する情報を追加して記載します。

証券取引所としても、投資者に対する情報開示を充実させたいと考えており、決算短信において積極的に情報を追加することが望ましいとしています。

「一律に記載を要請している事項」と言います。

 

次からは、それぞれで求められている情報を見ていきたいと思います。

 

サマリー情報で開示が求められる事項

上記の通り、サマリー情報は所定の様式に則って作成する必要があります。

サマリー情報の様式は、適用している会計基準や連結財務諸表作成会社であるか否かに応じて、以下の4種類に区分されています。

  • 通期第1号様式 ⇒ 日本基準を適用している連結財務諸表作成会社
  • 通期第2号様式 ⇒ 日本基準を適用している連結財務諸表を作成しない会社
  • 通期第3号様式 ⇒ IFRSを適用している連結財務諸表作成会社
  • 通期第4号様式 ⇒ 米国基準を適用している連結財務諸表作成会社

そして、サマリー情報の各様式は、将来予測情報の記載形式に応じて、「表形式」と「自由記載形式」の2種類に区分されます。

これらの様式は、将来予測情報の開示に関する上場会社各社の実情に応じて、適切な様式を選択すれば良いとされています。

サマリー情報の各様式と作成要領はこちらの日本取引所グループのHPからダウンロードできます。

 

添付資料で開示が求められる事項

添付資料で開示が求められているのは「一律に記載を要請している事項」と「投資判断に有用な情報」の2つです。

一律に記載を要請している事項については、何らかの事情により記載することができない場合には、事前に東証に相談する必要があります。

一方、投資判断に有用な情報の具体的な内容については、開示資料の作成負担だけでなく、IR活動等を通じて会社が日常的に接している投資者の要望等を踏まえながら検討するものとし、各社の経営成績及び財政状態に係る投資判断に有用な情報を、積極的に記載するよう要請しています。

また、過年度の「決算短信」において記載されていた事項については基本的に継続して記載することとし、開示をとりやめようとする場合には、「決算短信」における記載を不要と判断した理由について合理的に説明可能であることが望ましいとされています。

具体的な内容については、東京証券取引所より作成要領が公表されていますので、こちらを参照してください。

 

決算短信の現状は?

決算短信の概要について説明してきましたが、短信作成担当者にとって気になるのは、他社がいつ頃決算短信を発表しているのかってことではないでしょうか?

この点について、東京証券取引所から「平成27年3月期決算短信発表状況の集計結果について」という資料が公表されています。
これによると、平成27年3月期の決算短信発表を行った企業2,367社の、決算短信発表までの所要日数平均は39.8日となっています。

東証が「より望ましい」とするのは30日以内、「適当である」とするのは45日以内ですが、今年は45日目が金曜日ということもあり、45日目に提出した企業が15.2%を占めています(毎年45日以内の最終金曜日に集中する傾向)。

なお、このような特定日への決算発表の集中は、投資者による決算情報の収集や分析に影響を及ぼし、結果として証券市場における価格形成の円滑性、効率性を阻害し得ることや、東証内の記者クラブにおいて、著しい混雑のため、記者会見の開催時間等が制約されるなどの弊害が生じていることから、東京証券取引所では決算発表時期の分散化を要請しています。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

決算短信の発表の要否、提出期日、決算短信の内容についてお分かりになったでしょうか?

最後に、東京証券取引所が公表している決算短信作成要領へのリンク(とその目次)を再掲しておきます。
作成要領では記載上の注意事項やQ&Aも載っていますので、是非これを参考に決算短信を作成し、早期提出を目指しましょう!

決算短信・四半期決算短信作成要領等-東京証券取引所

決算短信・四半期決算短信作成要領等-目次

1.上場規程に基づく開示義務及び要請事項並びに開示に関する注意事項等

(1)上場規程に基づく開示義務
(2)決算短信等の開示に関する要請事項
(3)開示に関する注意事項
(4)その他の留意事項等

2.決算短信の作成要領

(1)決算短信の構成
(2)決算短信(サマリー情報)の様式及び記載上の注意事項

3.四半期決算短信の作成要領

(1)四半期決算短信の構成
(2)四半期決算短信(サマリー情報)の様式及び記載上の注意事項

■会社情報適時開示Q&A(決算短信等関係)

 

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