メンタルヘルス対策してますか?ストレスチェック制度の目的を社労士が解説

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メンタルヘルス対策

前回はストレスチェック制度のキホンのキの解説でしたが、その中で「この機会に企業のメンタルヘルス対策についてまじめに取り組んでみられてはいかがでしょうか。」と提案いたしました。

では、「メンタルヘルス対策」とはそもそもなぜ必要なんでしょう?

今回はストレスチェック制度への理解を深めるために、更にふりだしの部分に触れたいと思います。

 

メンタルヘルス対策を怠ると負のスパイラルに?

メンタルヘルス①負のスパイラル

「別に困っていないから、うちの会社はメンタルヘルス対策する必要ないよ。」

…こういった声がちらほらと聞こえてきます。確かに、メンタルヘルス対策にコストをかける必要は無いと考える企業も多いでしょう。

しかし、対策を怠ってメンタル不調者が出ると、こんなことになるかもしれませんよ…

まず、メンタル不調者が休職すると休職者の業務をフォローするために周囲の人の負担が増大します。たとえ代替員を雇ったとしても業務の引継ぎや指示が必要でしょう。

また、直属の上司や人事担当者が、休職者に対し定期的に連絡を取るといったことも必要でしょうから、こうした例外的業務も負担になるかもしれません。

負担が増大すると他の職員も疲弊して次第に職場のモチベーションが下がります。

「いつになったら復職してくれるのかなぁ。」「俺も疲れちゃってるから休みたいんだけどなぁ。」などと不満とも本音ともつかない言葉が出てきます。最初のうちは休職者の心配をしていた人も、だんだん余裕が無くなってくるわけです。

そしてついに新たなメンタル不調者が発生し、休職することに。さらに酷いと訴訟や自殺などということもあり得ます。

メンタル不調は連鎖しやすいものなのです。メンタルヘルス対策を怠ると「負のスパイラル」を引き起こす危険性は高くなります。

 

メンタルヘルス対策をすれば良いことたくさん!!

メンタルヘルス対策②正のスパイラル

では逆に、メンタルヘルス対策に取り組んでいる企業はどうでしょう。

メンタル不調者を出さないように未然に防ぐ努力をしている、もしくは、メンタル不調者が現れたら迅速に、丁寧に、適切な対応をしている。そのような企業で働く人は皆、安心して働ける職場だと感じるでしょう。

すると職場のモチベーションがアップし、生産性の向上につながります。さらに社員のみならず社会的にも信用や信頼を得ることになり、企業イメージがアップします。
イメージの良い企業には優秀な人材が集まります。安心して働ける職場であるために離職率が低くなり、結果的に優秀な人材の確保ができます。

メンタルヘルス対策をきちんと行っている企業ではこのような相乗効果が期待できるのです。

 

ストレスチェック制度はメンタルヘルス対策の一次予防

メンタルヘルスの3段階

企業のメンタルヘルス対策には一次予防から三次予防までの3段階があります。

まずは、この企業のメンタルヘルス対策の3段階を確認してください。わかりやすくするためにカッコの中は風邪対策に例えてみました。

企業のメンタルヘルス対策・3段階

  • 一次予防…メンタル不調者を出さないための未然防止
         (風邪に例えると:手洗い、うがい、栄養に気をつけた食事)
  • 二次予防…メンタル不調者の早期発見と適切な対応
         (風邪に例えると:具合が悪いなと思ったら早めの受診)
  • 三次予防…メンタル不調者の職場復帰支援と再発防止
         (風邪に例えると:回復するまで十分な睡眠と療養)

ストレスチェック制度の目的はメンタルヘルス対策の一次予防であり、メンタルヘルス対策の最も入り口の部分なのです。

 

メンタルヘルス対策の一次予防に必要なこと

メンタルヘルスとストレスチェック

では、一次予防には具体的にどのようなことが必要なのでしょう?

これは、以下の①②両方が求められます。

①セルフケア向上(働く人自身のストレス対処)
 …例)休日はゆっくり休む、気分転換の趣味を持つなど

②職場環境改善
 …例)仕事をしやすい明るさや温度、同僚や上司に相談しやすい環境など

働く人がどんなに自分でストレスの対処をしても職場環境が悪いままではメンタル不調を招きかねないでしょう。また、職場環境がいくら良くても働く人自身が自分のストレス対処法をわかっていなくてはメンタル不調を防ぐことはできません。

働く人のセルフケア向上職場環境改善。この2つは卵と鶏のような関係なのです。両方を同時に実現することが、メンタル不調を未然に防ぐための一次予防となります。

 

この点、国が求めているストレスチェックの必須領域は3つあります。

  1. 心身のストレス反応
  2. 仕事のストレス要因
  3. 周囲のサポート

aでは働く人のセルフケアの能力について、bとcでは主に職場環境の現状について調べるのです。メンタル面のみのチェックではありません。

以上のことから、ストレスチェック制度の目的はメンタルヘルス対策の一次予防であることがお分かりいただけると思います。

 

まとめ

企業におけるメンタルヘルス対策の重要性とストレスチェック制度の目的について、ご理解いただけましたでしょうか。しっかりと目的意識を持ったストレスチェック制度の導入がメンタルヘルス対策の第一歩となり、結果的に企業の発展へとつながると思います。

 

本稿はみやた社労士事務所 宮田享子(みやたきょうこ)先生にご寄稿いただきました。

宮田享子(みやたきょうこ)先生

宮田享子

社会保険労務士。産業カウンセラー。みやた社労士事務所所長。

短大の英語科を卒業後、一般企業で貿易事務や営業事務等の業務を経験したが結婚を機に退職。二児を育てながら再就職を考えていた矢先、友人の社労士事務所で給与計算業務を手伝ったことが資格取得のきっかけとなった。
税理士法人・社労士法人等で実務経験を積み、平成22年4月独立開業。
労務相談の他、講師業やメンタルヘルス対策(ストレスチェック業務やカウンセリングなど)に力を入れている。
週末は、アマチュアオーケストラ活動(オーボエ担当)とランニングに没頭している。

みやた社労士事務所HP

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