新株予約権

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内容

新株予約権を有する者が権利を行使した時に、会社が新株予約権者に対し新株を発行(または、会社が保有している自己株式を移転)する義務を負うものを言います。

新株予約権のうち、特に、役員や従業員等に報酬として付与されるものを、ストックオプションと呼ぶこともあります。

消費税法上の課税区分

対象外(不課税)

代表的な仕訳例

  • 従業員に対しストックオプションを付与した。失効分を見込んだ公正価値は3,000,000円である。

(借)株式報酬費用 3,000,000

(貸)新株予約権 3,000,000

 

  • ストックオプションのうち1,500,000円が行使され、2,000,000円が普通預金に払い込まれた。

(借)普通預金  2,000,000
(借)新株予約権 1,500,000

(貸)資本金 3,500,000

注意点

ストック・オプションはチームメンバーの貢献に応え、モチベーションを向上させる手段の一つです。ストック・オプションを付与することにより優秀な人材を採用したり、企業に留めたりすることができます。

ストック・オプションとは、会社法上の新株予約権の一つで、将来において一定の条件のもと株式を購入することができる権利を指します。
ストック・オプションの行使時期に株価が行使価格を上回っていれば、ストックオプションの保有者は行使価格で手に入れた株式を市場で売ることでキャピタルゲインを得ることができます。

ストック・オプションが税制適格であるかぎり、非上場の会社では費用計上も必要ありませんので、使いようによっては非常に便利な手法ですが、だからといってストックオプションをどんどん発行すればよいかというとそうでもありません。
公開後の株価形成やの観点からもストックオプションの発行は発行済株式の10%程度とするのが一般的だといわれます。

また、ストック・オプションには様々な条件を付けることが可能ですが、条件設定を誤ってしまったために、企業価値が上昇するとすぐに権利行使され、優秀な社員が会社を去ってしまったり、条件設定いかんによっては従業員の間で不公平感が起こったりしますので条件の設定には注意を要します。

また、ストックオプションの行使および株式の売却についてはインサイダー取引にも留意した条件を設定する必要がありますし、ストック・オプションは新株予約権として登記が必要となります。

そのため、ストック・オプションを発行する場合には実務に詳しい専門家に依頼することが必須ですが、以下ではストック・オプションを活用する際に特に重要な税法上の留意点について説明いたします。

税法上の留意点

先ほど税制適格のストック・オプションであれば、非上場会社での費用計上が必要ないと申し上げましたが、この他にも税制適格であれば、所得税法上も個人のキャピタルゲインに課税されるのみで良いというメリットがあります。

すなわち、通常、所得税法では権利(ストック・オプションも権利の一つである)をもらった時には、それを時価でもらったとして課税されます。しかしながらストック・オプションについては課税はもらった時ではなく、権利行使した時になされることになっているのです。

さらに、税制適格のストック・オプションでは権利行使した時でもなく、権利行使により取得した株式の売却時に売却価額と権利行使価額との差額に対して課税されます。

仮にストック・オプションが税制非適格だとすると、付与時に個人に課税はありませんが、権利行使時には課税されます。
ストック・オプションの権利を行使し株式を取得した段階では、まだキャピタルゲインを得ておらず、納税額によっては納税資金が不足するという事態になってしまいます。

ストック・オプションを税制適格要件を満たすよう設計することで、課税がキャピタルゲインを得た時にまで繰り延べられ、ストック・オプション保有者の納税資金が担保されるというメリットがあるということです。

ストック・オプションが税制適格であるか否かの判断は付与時点で行い、税制適格条件を簡単に示すと以下のようになります。

  • 付与対象者が自社(または親会社)の取締役、執行役または使用人(およびその相続人)であること(ただし、大口株主※1および大口株主の特別関係者を除く)
  • 会社法の規定に基づき無償で発行されたものであること
  • 権利行使期間が付与決議の日後2年を経過した日から、付与決議の日後10年を経過するまでの間であること
  • 権利行使価額がストックオプションに係る付与契約締結時の一株当たり価額以上であること
  • 権利行使価額が年間1200万円をこえないこと
  • 譲渡できないこと
  • 権利行使時に会社に対して誓約書等の提出をすること

※1 上場前であれば、発行済株式総数の3分の1を超える株式を保有する個人株主を指す。
したがって、創業者等が大口株主に該当する場合には、税制適格要件を満たすため、創業者等の保有する株式を親族等に譲渡し持ち株比率を3分の1以下に抑える必要がある(大口株主か否かの判定には親族等の保有する株式数を合算する必要はないため)。

また、付与対象者に監査役が入っていないことにも留意してください。
監査役にストック・オプションを付与した場合には、無条件に税制非適格となります。
そもそも監査役は、取締役の職務の執行を監査する立場にあり、株価と連動する報酬は好ましくないため、監査役へのストック・オプションの付与数について審査上問題となる可能性があります。

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