その写真ホントに大丈夫?ブログにアップする前の肖像権講座

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

肖像権 写真

弊所ではこれまで、ビジネスに関する疑問をズバッと解決するメディア「ビズバ!」を運営してきましたが、弊所の雰囲気をもっと楽しくお伝えできるよう「裏ビズバ!」というブログをはじめました。

ビズバ!と共に、裏ビズバ!もよろしくお願いいたします。

 

さて、その裏ビズバ!にて「ハロウィンの渋谷に呼び出されたので、ノコノコ行ってみた結果」という記事を書いたのですが、その記事にハロウィンでごった返す渋谷の街の写真を何枚か掲載しました。

 

ハロウィンの渋谷は、ニュースでも取り上げられるほど人であふれていますから、当然、写真にも渋谷に集まった人の顔が写り込んでいるわけです。

 

裏ビズバ!はスタートしたばかりのブログですが、さすがにインターネットの海に他人の顔が写った写真をアップするのはマズいだろうと思い、記事に掲載された写真は、写り込んだ全ての顔にぼかしを入れることで対応しました。

ハロウィンの渋谷

裏ビズバ!に掲載された写真。顔の部分にぼかしを入れてある

 

ちょっと調べてみると、写真に他人が写り込んでしまった場合には「肖像権」を侵害する可能性があるそうです。

肖像権。聞いたことはあるけど、よくわからないという方が多いのではないでしょうか。少なくとも僕はよくわかっていませんでした。

 

そこで今回は、弊所の提携司法書士でもあるアンド・ワン司法書士行政書士事務所所長、上木拓郎先生に肖像権について疑問をぶつけてみました。

 

ブログやメディアを運営されている方は、自分で撮った写真を掲載することも多いと思いますので、この機会に是非肖像権について勉強してみてください!

 

肖像権について司法書士の上木先生に質問してみました

大野

上木先生、こんにちは。

今日は、わざわざお越しいただいてすみません。

上木先生
いえいえ。ちょうど近くで予定があったものですから。
大野
それと、先日は失礼な記事を「裏ビズバ!」に上げてしまってすみません…

 

実は、「セミナー前日に無茶ぶりされたので、仕返ししてみる」という、上木先生をイジり倒した記事を「裏ビズバ!」に上げていたのです。

上木先生
記事、拝見しましたよ!爆笑してしまいました。
大野
そう言っていただけると助かります(笑)

今日は肖像権についてお尋ねしたいのですが。

上木先生
肖像権ですか。なかなか難しい話題を選びましたね。
大野
と言うと?
上木先生
実は肖像権は、著作権のように何らかの法律で規定されているものではないんですよ。
大野
えっ!そうなんですか?
上木先生
はい。肖像権は他人から無断で写真を撮られたり、その写真を無断で公表されたりしないように主張できる権利で、法律ではなく裁判での判例等で認められてきた権利なんですよ。
大野
へー。そうなんですね。

法律が無いのに、権利として認められるって不思議な感じがしますが。

上木先生
もちろん、全く根拠がないというわけではなく、憲法13条の幸福追求権がその根拠と言われています。
大野
憲法13条?
上木先生
「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」というものですね。
大野
あ。なんとなく聞いたことがありますね。

この「国民の権利」の中に肖像権も含まれるということでしょうか?

上木先生

そういうことですね。

ちなみに、肖像権は法律で定められたものではない、という性質から刑事罰はありません。

大野
え?だったら肖像権を侵害しても罪には問われないということですか?
上木先生
肖像権で罪に問われるとしたら、民事ですね。民法上の不法行為の一種になります。
大野
不法行為?
上木先生
不法行為というのは、ある人が他人の権利や利益を違法に侵害する行為のことを言います。

簡単に言えば、社会一般的に悪いと思われる行為のことですね。

大野
ちょっと難しいです…

具体的にはどんなものが不法行為になりますか?

上木先生
例えば、他人の同意なくその人の身体、財産、権利等を傷つけることは悪いことですよね。
大野
たしかに。
上木先生

身体なら交通事故、財産であれば詐欺などが不法行為にあたります。

不法行為の加害者は被害者の損害を賠償しなければなりません。

大野
つまり、肖像権の侵害について直接に刑事責任を問う法律は存在しないけども、民法上の損害賠償責任は生じるということですか。
上木先生
そういうことです。
大野
肖像権についてだと、どんな損害賠償責任が生じる可能性がありますか?
上木先生

権利を傷つけられて「損害」が生じたかがポイントです。

肖像権で生じるであろう損害には、精神的な損害、財産的な損害が含まれると思います。

そのうち精神的な損害については、掲載したホームページなどで謝罪すればいいのかなと思います。

精神的なダメージは金銭で表現できないですからね。

大野
ふむふむ。

財産的な損害にはどんなものがありますか?

上木先生

財産的損害は、例えば、adidasと契約していたサッカー選手が、プライベートでNikeのスニーカーを履いているところを激写され、それが雑誌に掲載されたとします。

そして掲載された写真が原因でadidasから損害賠償を請求された場合、その雑誌さえなければ損害賠償請求をされなかったと思われるので、その賠償額分を雑誌社に払えと言えるかもしれません。

大野

有名人の場合には財産的な損害がわかりやすいですね。

では、いわゆる一般の方だとどうなんでしょうか?

最初の疑問に戻りますが、裏ビズバ!でアップした渋谷のハロウィンの写真に写り込んだ人の顔にぼかしを入れなかった場合、肖像権の侵害になりますかね?

上木先生

もちろん、一般の方についても肖像権は存在しますが、有名人よりは損害は生じにくいと考えられています。

今回の写真は公道での撮影ですし、写り込んでいる人たちも何か活動をしているわけではなく単に歩いているだけですよね。これをそのままアップしたとしても、特に損害は出ないと思いますので、肖像権を侵害したことにはならないでしょう。

大野

あ。そうなんですか。

一人一人ぼかしを入れるの結構大変だったんですけど(笑)

上木先生
最近、テレビ等でも写り込んだ人たちにボカシを入れているケースはありますが、あれは面倒なクレームを防止するためでしょうね。
大野
そうか。肖像権以前にクレームが来たり、メディアの誠実性が問われたりするってわけですね。
上木先生

もちろんなんでもかんでもOKというわけではないですけどね。

肖像権が侵害されているかどうかは、

  • 被撮影者を特定できるかどうか
  • 被撮影者の社会的な地位
  • 被撮影者がどんな活動をしているか
  • 撮影場所はどこか
  • 撮影者の目的は何か
  • 撮影の態様はどうか
  • 撮影の必要性

などを基準に、総合的に判断することになります。

大野

つまり、肖像権を侵害しているかどうかは、常識的な判断が重要ってことですね。

そういう意味では、ちょっと手間はかかりましたが、念のため顔にぼかしを入れておくのは正解だったかもしれません。「常識的」って常識では測れないこともありますもんね(笑)

 

肖像権侵害を回避するには

大野
ぼかしを入れる他に、肖像権を侵害せずに写真を掲載する方法はありますか?
上木先生
一番確実なのは、被撮影者の承諾をもらうことですね。
大野

そうか。あらかじめ承諾をもらっておけば良いんですね。

承諾をもらう時に気を付けることはありますか?

上木先生

後々言った言わないのトラブルにならないように「肖像権使用同意書」などの文書の形で承諾をもらっておくことですね。

あと、どこまで承諾したのか、使用範囲についても「肖像権使用同意書」に記載しておきましょう。

大野
ふむふむ。
上木先生
イベントなどを主催する場合には、イベント風景などを撮影することも多いと思いますが、この場合にも参加者の方たちから「肖像権使用同意書」をもらっておけば、後のトラブルを防ぐことができます。
大野
たしかに。弊所でもイベントを開催することが多いんですが、最初に同意書をもらっておけば、イベントレポートなどに肖像権を侵害せず写真を掲載できるというわけですね。
上木先生
そういうことですね。
大野
本日はお忙しいところありがとうございました。肖像権についてよくわかりました。
上木先生
いえいえ。著作権や肖像権については、メディアを運営している方にとって理解が不可欠な問題ですので、こうしてちゃんと質問してくれると法律家冥利に尽きます。

また、何か疑問に思ったことがあったら、気軽に聞いてくださいね。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回、上木先生に質問してみて、僕も肖像権についてよくわかりました。

皆様も、ブログの運営などにお役立てください!

 

本日協力してくれた上木先生が代表を務める、アンド・ワン司法書士行政書士事務所の情報はこちら

アンド・ワン司法書士行政書士事務所

代表司法書士・行政書士

上木 拓郎

住所

〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-11-3-508

Mail

ueki[at]tulegal.jp ※[at][email protected]

Tel

03-6661-6742

Fax

03-6661-6745

アンド・ワン司法書士行政書士事務所オリジナルLINEスタンプも絶賛販売中!

アンドワンくん

 

資金繰り管理のススメ

「黒字倒産」という言葉を聞いたことがあると思います。

会計上は利益が出ているのにもかかわらず資金がショートし、倒産してしまうことです。

資金は「会社の血液」と呼ばれるように、会計上の利益の有無に関わらず、資金が止まってしまえば会社は存続できません

特に、成長企業や入金サイトと出金サイトのズレが大きな業種では、資金繰り管理が重要となります。

また、資金繰り管理を行い、銀行との付き合い方を改善することで、融資可能性が格段にアップします!

弊所、会計事務所シンシアの運営するサイト『資金繰り管理のススメ』で、資金繰り管理の重要性を認識し、資金繰り管理にチャレンジしてみましょう!

『資金繰り管理のススメ』コンテンツ

  • 資金繰り管理してますか?
  • 成長企業こそ資金繰り管理を
  • 銀行はどれほど試算表を信用しているか?
  • 銀行のジレンマ
  • 最近の銀行融資の動向
  • 収支分岐点売上高の把握
  • 資金繰り管理のススメ
  • 『資金繰り顧問』のご案内

『資金繰り管理のススメ』はこちら

SNSでもご購読できます。

ビズバ!ではお伝えしきれない、よりタイムリーな補助金・助成金・税制などのお得な情報や、資金調達に関する裏話などを、メルマガで配信しています。 メルマガ受信ご希望の方は、メールアドレスを入力してください!

コメント

コメントを残す

*