【平成29年度税制改正大綱】中小企業が設備投資を行ったときに使える「経営強化税制」の対象となる業種について

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中小企業が設備投資を行ったときに使える税制と指定事業(対象となる業種)のまとめ

先日のエントリー『【平成29年度税制改正大綱】中小企業経営強化税制創設で、生産性向上設備投資促進税制廃止後も即時償却可能に!』が、多くの方に読まれているようです。

やはり、皆さん今後の設備投資系の税制がどのようになるのか気になっていらっしゃるようです(準備もありますもんね…)。

上記のエントリーで、指定事業(対象となる業種)について、以下のように説明いたしました。

 「指定事業」は、中小企業投資促進税制および中小企業活性化税制のそれぞれの対象事業に該当する全ての事業となります。

この部分について、若干わかりにくかったと思いますので、今回のエントリーで補足いたします。

また、せっかくですので、その他の主な設備投資系の税制についての指定事業についてもまとめておきたいと思います。

指定事業かどうかは、おおむね日本標準産業分類を基準として判定されます。

中小企業経営強化税制の指定事業は?

上記の通り、中小企業経営強化税制の指定事業は、中小企業投資促進税制中小企業活性化税制(特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度)のそれぞれの指定事業です。

したがって、それぞれの指定事業を見ていきましょう。

 

中小企業投資促進税制の指定事業は?

中小企業投資促進税制の指定事業は以下の通りです。

製造業

建設業

鉱業

卸売業

道路貨物運送業

倉庫業

港湾運送業

ガス業

小売業

一般旅客自動車運送業

海洋運輸業及び沿海運輸業

内航船舶貸渡業

旅行業

こん包業

郵便業

損害保険代理業

情報通信業

駐車場業

学術研究、専門・技術サービス業

宿泊業

洗濯・理容・美容・浴場業

その他の生活関連サービス業

映画業

教育、学習支援業

医療、福祉業

協同組合

農業、林業

漁業、水産養殖業

料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業を除きます)

サービス業(廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業、職業紹介・労働者派遣業、その他の事業サービス業)

したがって、上記に記載の無い、不動産業、物品賃貸業、電気業、娯楽業(映画業を除く)等は対象になりません

また、風俗営業法上の性風俗関連特殊営業に該当する事業についても、対象となりません。

 

中小企業活性化税制の指定事業は?

中小企業活性化税制の指定事業は以下の通りです。

卸売業

道路貨物運送業

倉庫業

港湾運送業

小売業

一般旅客自動車運送業

こん包業

損害保険代理業

情報通信業

専門・技術サービス業、広告業

宿泊業

飲食店業

洗濯・理容・美容・浴場業

その他の生活関連サービス業

映画業

教育、学習支援業

社会保険・社会福祉・介護事業

協同組合

農業、林業

漁業、水産養殖業

サービス業(廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業、職業紹介・労働者派遣業、その他の事業サービス業)

なお、風俗営業に該当する事業であっても、以下のものは対象となります(そのほかは対象外です)。

  1. 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する飲食店業で生活衛生同業組合の組合員が営むもの
  2. 宿泊業のうち、旅館業、ホテル業で風俗営業の許可を受けているもの

また、中小企業投資促進税制と同様、性風俗関連特殊営業に該当する事業は対象外です。

したがって、先ほどの中小企業投資促進税制と比べると、製造業、建設業、工業、医療業、ガス業、旅行業、駐車場業などが対象外となり、逆に、不動産業、物品賃貸業が対象となっているのが特徴です。

 

太陽光発電事業はどうなる?

これまで、太陽光発電事業を行う場合の設備投資は、生産性向上設備投資促進税制を利用するのが一般的でした。

生産性向上設備投資促進税制は、指定事業に制限が無かったためです。

平成29年度の税制改正にて、この生産性向上設備投資促進税制は廃止され、その後継として中小企業経営強化税制が創設されました。

しかし、これまで見てきたように、中小企業経営強化税制の指定事業は、中小企業投資促進税制または中小企業活性化税制のそれぞれの指定事業に該当する事業であり、そこに電気業はありません

したがって今後、太陽光発電事業の設備投資について、生産性向上設備投資促進税制のような使いやすい制度はなくなってしまうということになりそうです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

複雑に絡み合う、中小企業に対する設備投資系の税制について、その指定事業が整理できましたでしょうか。

また、これは蛇足ですが、以下のような通達も出ております。

特に、「指定事業とその他の事業とに共通して使用される…」の項をご覧いただくと、いずれも『指定事業とその他の事業とを営む法人が、…それぞれの事業に共通して使用している場合には、その全部を指定事業の用に供したものとして適用する。』とあります。

つまり、指定事業と指定事業でない事業(例えば、電気業)とに共通して使用されている設備については、その全部を指定事業の用に供してものとして扱われるということです。

しかし、そもそも通達というものは、国家行政組織法14条の2項にあるとおり、各庁の長官等から、所管の諸機関や職員に対し発せられるものですから、法律ではありません(これまた蛇足ですが、こういうのを「通達の法源性否定」と言います)。

税金は租税「法律」主義によって課されますから、法律ではない通達に記載されているからといって、それが納税者を守ってくれるとは限りません(このことは、逆に、税務署が通達にしたがって課税したとしても、それが必ずしも適法だとはいえないということも意味します)。

と、これは本当に蛇足でしたね。。。

中小企業の設備投資系の税制は、専門家でも混乱するくらい複雑ですので、これを機に、御社ならどのような税制が使えそうか確認してみてください!

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