ストレスチェック制度とは?社労士がキホンのキを解説!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ストレスチェック第1回表紙

マイナンバー対策が一段落した感のあるこの頃、企業の人事・総務部門はストレスチェック制度の対応に追われているようです。

しかし、やみくもに対応しても手間が増えるばかりで有効ではありませんよね。

そこで、ビズバ!では、みやた社労士事務所の宮田享子先生にストレスチェック制度のキホンを聞いてきました!

まずは本稿を参考にして、この制度について正しく理解しておきましょう!

「ストレスチェック」「ストレスチェック制度」とは?

「ストレスチェック」とは、現在のストレスの状態を調べるものです。今の状態を4~5段階ぐらいの状態に区分し、例えば「そうだ」「まあそうだ」「やや違う」「違う」などと回答することでチェックしていきます。スーパーや飲食店などで求められる顧客満足アンケートのようなものをイメージされると良いかもしれません。

一方、「ストレスチェック制度」とは、労働安全衛生法という法律で定められたもので、働く人が50人以上の事業場は少なくとも年に1回ストレスチェックを実施しなければならないという制度です。これは2015年12月1日に施行されました。

ということは、第一回目のストレスチェックは2016年(今年)の11月30日までに必ず実施しなければいけないのです。

 

なぜストレスチェックが義務化されたの?

「過労死等の労災補償状況」-厚生労働省HPより

「過労死等の労災補償状況」-厚生労働省HPより

 

我が国の自殺者が3年連続で3万人を下回った、と報じられたのは皆さまご存知かと思います。ですが、働き盛り世代の死因の1位が自殺という現状です。また、精神障害による労災申請の請求・認定件数は高水準で推移しています。

そこで、「働く人のメンタルヘルス対策に国をあげて取り組もうじゃないか!」ということになりました。その第一歩がストレスチェック制度なのです。

 

ストレスチェック制度に対応しなければならない、50人以上の事業場とは?

「50人以上の事業場」とは具体的にどういうことでしょう。

まず「事業場」という言葉ですが、これは「会社」とは少し違っていて、「本社」「支店」「工場」などの単位で見ます。人数をカウントする時は社会保険に加入しているか否かは関係ありません。

また、カウントする時は正社員だけではなくパートタイマーやアルバイト等も含みます。

 

働く人全員がストレスチェックを受けるの?

ストレスチェック実施が義務となる対象者は、「常時使用する労働者」です。つまり正社員かそれに近い働き方をしている人です。その職場で社会保険に加入している人、というイメージで良いでしょう。「ストレスチェックの対象者=定期健康診断の対象者」です。

パートタイマーやアルバイトは働く時間数や日数によっては社会保険に加入している人としていない人に分かれるでしょう。加入していない人は実施義務の対象とはなりません。ただ、「義務ではない」だけで「努力義務」ではあります。

また、派遣社員は派遣元でストレスチェックを受けることになりますが、職場をひとくくりとした集団分析をする際には派遣先でも受けるべきでしょう。

 

ストレスチェックが義務でなければやらなくて良い?

ここまでお読みいただいた方の中には「うちの職場は40人しかいないから、ストレスチェックはやらなくていいや!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも待ってください。

50人未満の事業場で、もしもうつ病などのメンタル不調で休職や退職をすることになったらどうでしょう。1,000人の事業場でそうなるよりも企業のダメージが大きいと思いませんか。50人未満の中小企業でこそストレスチェック実施をした方が良いと私は感じています。

また、たとえ法律の上では努力義務であっても、万が一メンタル不調による自殺などで遺族が訴えを起こした際、司法(裁判所)の判断では企業にとって厳しい状況になることもあり得ます。

 

ストレスチェック制度の誤解あれこれ

正しく理解しよう!ストレスチェック制度

先ほど「ストレスチェック実施が義務となる対象者」と述べましたが、この「実施義務」は事業者に対する義務であって、労働者側が「受検(受ける)義務」を課されるというわけではありません(これに対し定期健康診断は労働者の受診義務があります。)。

また、ストレスチェックの検査結果は本人の同意が無い限り事業者に知られることはありません(定期健康診断の結果は事業者が把握する義務があります。)。

また、「ストレスチェック」のことを「メンタルチェック」と呼び、うつ病などのメンタル不調者を退職させるための検査だと思われる方も多くいらっしゃいます。しかしそれはまったくの誤解です。

ストレスチェックは「心身のストレス反応」だけではなく「仕事のストレス要因」や「周囲のサポート」という職場環境の評価も含んだ検査であり、そもそもこの制度の目的はメンタル不調を未然に防ぐための一次予防なのです。

ストレスチェック制度に対して誤った認識をされている方は大変多くいらっしゃいます。国はそれほど大々的にPR活動をしていませんから、それも無理はありません。。また、時期的にもマイナンバー制度の陰に隠れてしまっているということもあるでしょう。

まずは社長さんや人事・総務のご担当者が正しい知識を身に付け、研修や相談窓口などを通して従業員に周知することが大切です。

 

まとめ

ストレスチェック制度とは何か、いちばん基本的な部分をお話ししました。これは担当される方だけではなく働く人全ての方に知っておいていただきたいことです。

「義務だからしかたなくやる」のではなく、この機会に企業のメンタルヘルス対策についてまじめに取り組んでみられてはいかがでしょうか。

 

本稿はみやた社労士事務所 宮田享子(みやたきょうこ)先生にご寄稿いただきました。

宮田享子(みやたきょうこ)先生

宮田享子

社会保険労務士。産業カウンセラー。みやた社労士事務所所長。

短大の英語科を卒業後、一般企業で貿易事務や営業事務等の業務を経験したが結婚を機に退職。二児を育てながら再就職を考えていた矢先、友人の社労士事務所で給与計算業務を手伝ったことが資格取得のきっかけとなった。
税理士法人・社労士法人等で実務経験を積み、平成22年4月独立開業。
労務相談の他、講師業やメンタルヘルス対策(ストレスチェック業務やカウンセリングなど)に力を入れている。
週末は、アマチュアオーケストラ活動(オーボエ担当)とランニングに没頭している。

みやた社労士事務所HP

資金繰り管理のススメ

「黒字倒産」という言葉を聞いたことがあると思います。

会計上は利益が出ているのにもかかわらず資金がショートし、倒産してしまうことです。

資金は「会社の血液」と呼ばれるように、会計上の利益の有無に関わらず、資金が止まってしまえば会社は存続できません

特に、成長企業や入金サイトと出金サイトのズレが大きな業種では、資金繰り管理が重要となります。

また、資金繰り管理を行い、銀行との付き合い方を改善することで、融資可能性が格段にアップします!

弊所、会計事務所シンシアの運営するサイト『資金繰り管理のススメ』で、資金繰り管理の重要性を認識し、資金繰り管理にチャレンジしてみましょう!

『資金繰り管理のススメ』コンテンツ

  • 資金繰り管理してますか?
  • 成長企業こそ資金繰り管理を
  • 銀行はどれほど試算表を信用しているか?
  • 銀行のジレンマ
  • 最近の銀行融資の動向
  • 収支分岐点売上高の把握
  • 資金繰り管理のススメ
  • 『資金繰り顧問』のご案内

『資金繰り管理のススメ』はこちら

SNSでもご購読できます。

ビズバ!ではお伝えしきれない、よりタイムリーな補助金・助成金・税制などのお得な情報や、資金調達に関する裏話などを、メルマガで配信しています。 メルマガ受信ご希望の方は、メールアドレスを入力してください!

コメント

コメントを残す

*