端午の節句のお祝いを贈与税非課税でする方法

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鯉のぼり

端午の節句のプレゼントにも贈与税はかかるんです

桜も散って、気がつけばもう5月。5月といえばゴールデンウィークですよね。皆さん予定はいかがですか?
ビズバ!をご覧になっている方の中には「ゴールデンウィーク?なにそれ?」っていう経理担当者、税理士、公認会計士の方も多いと思いますが…(5月は会計業界の繁忙期なのです)。

ところで、ゴールデンウィークの各祝日、皆さんは覚えていらっしゃいますか?
4月29日が昭和の日、5月3日が憲法記念日、5月4日がみどりの日、そして5月5日がこどもの日(端午の節句)ですね。
他の日はあやふやだけど、5月5日の端午の節句だけは覚えているって人も多いのではないでしょうか?

お子さんやお孫さんがお生まれになっていれば、祝日にかこつけて我が子、我が孫にプレゼントでも贈りたいと思ってらっしゃる方も多いと思います。

そこで、今回は、税金のかからない贈り物についてご説明します。
え?プレゼントにも税金がかかるのって思ったあなた。はい。そうなんです。税金がかかるんですよ。その名も贈与税といいます。

今回はこの贈与税について詳しく解説していきます。

そもそも贈与税って?

みなさんは相続税という言葉は聞いたことがあると思います。相続税は亡くなった人から相続などで取得した財産にかかる税金ですよね。

だとすると、亡くなったときに財産がゼロであれば相続税はかからないわけです。とはいえ、税金を払いたくないからといって散財したのでは元も子もないですから(地獄の沙汰も金次第と言いますし…)、それならばと家族に財産を移しておこうとするわけですね。
亡くなったときに財産を移し終えていれば、相続税はかからないだろうというわけです。

しかし、それを指をくわえて見ているほど、税務当局は甘くありません。財産を移すことで相続税を課せられなくなってしまうなら、移した財産に税金をかければいいじゃない、と言うわけです。
そして、その時に課せられるのが贈与税だというわけです(本当はもっと理論的な背景があるんですが、それはここでの本題では無いので…)。

つまり、相続税を補完する税として贈与税があるのです。ですので贈与税については、贈与税法という法律があるのではなく、相続税法の中で相続税と一緒に規定されています。

さて、この贈与税ですが個人から財産をもらったときにかかる税金です。「財産」ですから、お金だけに限らず、有価証券、宝石、土地、貸付金、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいますのでご注意ください。

また、自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合(つまり保険料の負担者、被保険者、保険金の受取人がすべて異なる場合)や、債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。
(ただし、亡くなった方が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合、つまり被保険者と保険料の負担者が同一人の場合は、贈与税でなく相続税の対象となります。ちょっとややこしいですね)

一方、会社などの法人から財産をもらったときには所得税の対象となっています(ついでに、ここでもややこしい生命保険金の話をすると、保険料の負担者と保険金受取人とが同一人の場合には所得税の対象となります)。

さて、ここでよく考えてみると「これまでいろんなプレゼントをもらってきたけど、税金なんか取られたことないな」と思う方もいらっしゃると思います。

そうなんですね。もちろん何でもかんでも課税されるわけじゃないんです。
例えば以下のようなものは非課税です。

  • 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
  • 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
    (その他の非課税資産についてはこちらの国税庁HPをご確認下さい)

簡単に言えば、生活費や香典など、普通に考えてお金などを渡す必要や慣例があるものについては、贈与税は課さないということですね。

しかし、「だとしても昔あの人から貰ったプレゼントは当てはまらなそうね。だとしたら、やっぱり税金払わなきゃいけなかったのかしら」とお思いの方も大丈夫ですよ。
実は、贈与税には暦年贈与と言う非課税枠があるんですね。

暦年贈与はよく相続対策として挙げられますのでご存知の方も多いと思いますが、念のためご説明します。
そして、暦年贈与を説明した後には、もっとお得にお子さん、お孫さんにプレゼントを贈る方法をご紹介しますよ!

贈与税非課税対策の基本、暦年贈与

贈与税というのは、

  1.  1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計し、
  2.  その合計額から基礎控除額110万円を差し引き、
  3.  残りの金額に税率を乗じる。

というステップで税金を計算します。

暦年贈与というのは2.で控除する110万円の非課税枠を使って、1年間の贈与を110万円以内にすることで、贈与税を課されずに財産を移す方法です。
110万円までなら贈与税がかからないので、生前にこの枠内で財産を移すことで、相続税対策になるということですね。

ちなみに、贈与となるのは、財産をあげる人と貰う人、双方の合意がある場合に成立しますので、例えば暦年贈与の非課税枠を使って、お子さんのために子供名義で貯金をしていても、お子さんがこのことを知らないのであれば、単に子供名義の自分の財産という扱いになり、相続税対策になりませんので注意が必要です。

とはいえ、暦年贈与ではお子さん一人当たり毎年110万円が限界ですし、多額のプレゼントをするには時間がかかってしまいます。一気に多額のプレゼントをしたいというリッチなおじいちゃん、おばあちゃん、ご両親には物足りない制度ですよね。

そこで、この後はそんなリッチペアレンツ、リッチグランドペアレンツにオススメの、贈与税ゼロで一気にドカーっとプレゼントできる制度をご案内します!

贈与税の平成27年度改正とは?

お得な制度のご案内の前に、先日公布された平成27年度の税制改正について、簡単に復習してみましょう。
ちょっと、遠回りしますが、もし贈与税を課された場合に、いくら支払わなければならないかを把握しておくと、この後の説明も理解しやすくなると思います。

さて、皆さんは相続税の増税については、テレビなどでも話題となっていますのでご存知だと思います。
先ほど言ったように、本稿のテーマである贈与税は相続税を補完するものですので、贈与税についても大幅な改正が行われています。
本稿は相続税対策をメインとするものではありませんが、相続税対策をするのであれば、贈与税についても対策しなくては片手落ちとなってしまいますし、逆も然りというわけです。

では早速平成27年改正について見ていきましょう。

平成27年の税制改正の大きなポイントは税率の変更です。
相続税の改正に対応して贈与税も最高税率が引き上げられたほか、これまで一つの贈与税率であったものが、贈与の形態により税率が2パターンに分かれることとなりました。

すなわち、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんなどの直系尊属(直系尊属とは、自分より前の世代で、直通する系統の親族および養父母のことです。したがって、配偶者の父母、祖父母は直系尊属ではありませんよ)からの贈与には特例税率を、その他の贈与には一般税率を使用することとなったのです。

それぞれの税率は以下の表をご覧下さい。

贈与税の税率(新旧比較)

国税庁「相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」より

税率表を見てもらえばわかるように、お子さん、お孫さんへのプレゼントの対象となる特例税率は、基礎控除後の金額で4,500万円以下であれば改正前の税率より軽減されてますので、実はこの税率改正だけでも以前よりお得にはなってるんですね。

ですが、仮にスーパーリッチなおじいちゃんが孫に1,000万円をプレゼントしたとすると、267万円(=(1,000万円-110万円)×30%)の贈与税ですから、そんなに税金を取られるとなると、いくらリッチなおじいちゃんでも躊躇しちゃいますよね。

そこで、次のセクションからはそんな方向けに、税金を支払わずに贈与ができる制度をご案内します(お待たせしました)!

教育資金の一括贈与の非課税措置

教育資金の一括贈与の非課税措置の概要

まず、最初にご案内するのが、この教育資金の一括贈与の非課税措置です。

教育資金の一括贈与の非課税措置は当初、平成27年12月31日までの制度だったのですが、平成27年税制改正により平成31年3月31日までに延長されました。

これは、平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、30歳未満の方が、教育資金に充てるため、受贈者の直系尊属から以下の1.~3.の方法で贈与を受けた場合に、1,500万円までの金額に相当する部分の価額について贈与税が非課税となるものです。

  1. 信託受益権を付与された場合、
  2. 書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合
  3. 書面による贈与により取得した金銭、MRF、MMFで証券会社等で有価証券を購入した場合
    MRF(マネー・リザーブ・ファンド)もMMF(マネー・マネジメント・ファンド)も、安全性の高い公社債などで運用される投資信託です。

なお、この非課税限度額は受贈者ごとに1,500万円となっていますので、例えば、おじいちゃんから1,000万円、おばあちゃんから1,000万円もらった場合、500万円についてはその年に贈与税が課されることになります。

では条件を詳しく見ていきましょう。
まず、贈与を受ける受贈者は30歳未満の方でなければなりません。また、贈与者は直系尊属でなければなりません。

贈与のパターン2.および3.に「書面による贈与」とありますが、これは税法特有の用語ではなく、民法に定められているものです。
贈与は「書面による贈与」と「書面によらない贈与」とに分けられ、書面による贈与とは、贈与者による贈与の意思が現れた書面が存在する場合の贈与のことを言います。

この書面について、教育資金の一括贈与の非課税措置では特に様式を定められていませんので、贈与の事実、贈与年月日、受贈者の氏名および住所、贈与者の氏名および住所、贈与金額がわかる書面を準備すれば良いのですが、銀行などで「教育資金贈与契約書」などを準備してくれていますので、それをそのまま使えば良いと思います。

ちなみに、この贈与の事実等について記載された書面は、後述する「教育資金非課税申告書」に添付することになっています。

さて、対象となる贈与を確認したところで、この教育資金の一括贈与の非課税措置の概要を見ておきましょう。まずは、下のイメージ図をご覧ください。

教育資金の非課税の特例のイメージ

国税庁「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A」より

「制度の内容」の行の一番右側の列をご覧下さい。ここに「非課税拠出額-教育資金支出額について贈与があったこととされる」とあります。
非課税拠出額とは、これまでの説明(上記の1.~3.)に該当するような贈与額のことを言います。

ここから教育資金支出額を控除した額が贈与税の対象となるということですから、教育資金に該当しない支出額や使いきれなかったものには通常どおり贈与税が課されるというわけです。

そして、教育資金とは以下のようなものを言います。

  1. 学校等に直接支払われる入学金、授業料その他の金銭で一定のもの※1
  2. 学校等以外の者に、教育に関する役務の提供として直接支払われる金銭その他の教育のために直接支払われる金銭で一定のもの※2

※1一定のものとは、次のようなものをいいます。

  1. 入学金、授業料、入園料及び保育料並びに施設設備費
  2. 入学又は入園のための試験に係る検定料
  3. 在学証明、成績証明その他学生等の記録に係る手数料及びこれに類する手数料
  4. 学用品の購入費、修学旅行費又は学校給食費その他学校等における教育 に伴って必要な費用に充てるための金銭

 

また、「学校等」とは以下のような施設を指します。

  1. 学校教育法上の幼稚園、小・中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校、大学、大学院、専修学校、各種学校
  2. 外国の教育施設 〔外国にあるもの〕その国の学校教育制度に位置づけられている学校、日本人学校、私立在外教育施設 〔国内にあるもの〕インターナショナルスクール(国際的な認証機関に認証されたもの)、外国人学校(文部科学大臣が高校相当として指定したもの)、外国大学の日本校、国際連合大学
  3. 認定こども園又は保育所 など

 

※2一定のものとは、次のようなもので、教育のために支払われるものとして社会通念上相当と認められるものをいいます(500万円が限度となっています)。

  1. 教育に関する役務の提供の対価や施設の使用料(学習塾やそろばんなど)
  2. スポーツ又は文化芸術に関する活動その他教養の向上のための活動に係る指導への対価として支払われる金銭(水泳、野球、ピアノ、絵画など)
  3. の役務の提供又は2.の指導において使用する物品の購入に要する金銭であって、その役務の提供又は指導を行う者に直接支払われるもの
  4. ※1の金銭であって、学生等の全部又は大部分が支払うべきものと学校等が認めたもの

教育資金として一括贈与したもののうち、このような教育資金以外に使われたもの(上のイメージ図では「宝石の購入」となっているような支出)については、贈与税がかかってきますので、注意してください。

また、使い切れなかったものにも贈与税が課されるということですが、使い切れないとはどういうことを言うのでしょうか?

このセクションの冒頭で言ったように、当制度は30歳未満の方が贈与を受けた場合の制度で、実はその資金もお子さんやお孫さんが30歳になるまでに使い切らなくてはならないのです。
30歳になったときに、基礎控除110万円を超える使い切れなかった残額がある場合には贈与税が課されることになります。

教育資金の一括贈与の非課税措置の手続

さて、制度の概要を確認しましたので、実際に教育資金の非課税措置の適用を受けるために、どのような手続が必要なのかを確認しましょう。

この非課税措置の適用を受けるためには、その適用を受けようとする受贈者(つまり、お子さんやお孫さん。未成年の場合にはその保護者の方。)が、「教育資金非課税申告書」を取扱金融機関の営業所等を経由して、信託がされる日、預金若しくは貯金の預入をする日又は有価証券を購入する日までに、その受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

つまり、教育資金の一括贈与は必ず金融機関を通して行われるので、非課税措置を受けるための申告書も金融機関経由で提出しろと言うわけです(つまり、教育資金の一括贈与の非課税措置を適用開始するための手続きは、金融機関で全てやってもらえるので、税務署には行かなくてよいということです)。
皆さんの近隣金融機関でもきっと、教育資金の一括贈与の非課税措置用の商品を扱っていますので、まずは金融機関に相談してみましょう。

教育資金を実際に支払った時の手続

さて、金融機関にて教育資金口座を開設し、教育資金の一括贈与の非課税措置を開始した後、実際に教育資金を支払った時にはどのような手続きが必要になるのでしょうか?

教育資金を支払った受贈者は、領収書等の支払いの事実を証するものを金融機関に提出しなければなりません。金融機関に提出すれば良いだけですから、この時も税務署へ行く必要はありません。
もちろんこの時に、領収書等が教育資金に該当しないものだと、非課税措置を受けることはできませんよ。

また、領収書等の提出時期にも注意が必要です。領収書の提出時期は、受贈者が口座から資金を払い出す方法として選択した以下の2つの場合で異なってきます。

  1. 教育資金を支払った後に、支払った金額を口座から払い出す方法を選択した場合
    ⇒領収書等に記載された支払年月日から1年を経過する日まで
  2. A.以外の方法を選択した場合
    ⇒領収書等に記載された支払年月日の属する年の翌年3月15日まで

A.の方法を選択した場合には、金融機関への領収書等の提出は1年後まで大丈夫ですが、口座からの資金の払い出しは領収書等の提出時となりますので、支払日から払出日までの間、支払いを立て替える必要があります。

B.の方法では、例えば12月に支払いがあった場合でも領収書は3月15日までに提出しなければならないため、時間的な猶予があまりない場合もありますが、口座からの資金を払い出しは支払いの前でも良いため、支払いを立て替える必要はありません。

なお、A.またはB.の方法を一旦選択すると、その後変更ができませんので、よく考えて選択しなければなりません。

教育資金の一括贈与の非課税措置の申告

さて、先ほどチラッと言いましたが、この教育資金は受贈者が30歳になるまでに使い切らないと、残った額に対して贈与税が課されます。
正確には、金融機関との教育資金管理契約が終了した際に、残額がある場合に贈与税が課されてしまいます。

教育資金管理契約は次のうち、いずれか早い日に終了します。

  1. 受贈者が30歳に達した日
  2. 受贈者が死亡した日
  3. 教育資金管理契約に係る信託財産の価額がゼロとなった場合で、受贈者と金融機関との間で教育資金管理契約を終了させる合意があった場合はその合意に基づき教育資金管理契約が終了する日

その他、教育資金管理契約に係る預金若しくは貯金の額がゼロとなった場合や教育資金管理契約に基づき保管されている有価証券の価額がゼロとなった場合も含みます。

なお、教育資金管理契約が終了した時に、まだ提出していない領収書等がある場合には、教育資金管理契約の終了した翌月末日までに領収書等を金融機関に提出しなければなりません。

2.の場合には贈与税が課せられる受贈者が亡くなってしまっていますので、贈与税が課せられることはありませんが、1.または3.に該当し、贈与税が課せられることとなった場合(つまり、残額がある場合)には、残額についてその年の翌年2月1日~3月15日の間に贈与税の申告をしなければなりません。

 

以上で、教育資金の一括贈与の非課税措置についての説明は終わりです。

ですが、この教育資金の一括贈与は30歳未満のお子さん、お孫さんがいらっしゃる場合に利用できる非課税措置です。

お子さんが30歳以上で、まだお孫さんがいないという方は、次の「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置」を検討してみてはいかがでしょうか?

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の概要

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置は平成27年度税制改正で新設された非課税措置です。

これは平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、20歳以上50歳未満の方が、結婚・子育て資金に充てるための資金を、受贈者の直系尊属から以下の1.~3.の方法で贈与を受けた場合に、1,000万円までの金額に相当する部分の価額について贈与税が非課税となるものです。

  1. 信託受益権を付与された場合、
  2. 書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合
  3. 書面による贈与により取得した金銭、MRF、MMFで証券会社等で有価証券を購入した場合
    MRF(マネー・リザーブ・ファンド)もMMF(マネー・マネジメント・ファンド)も、安全性の高い公社債などで運用される投資信託です。

さきほどの教育資金の一括贈与と似ていますね。
教育資金の一括贈与では1,500万円が非課税枠でしたが、こちらは1,000万円までと、ちょっと少な目になっています。しかしながら、受贈者の年齢制限が20歳以上50歳未満となっていますので、教育資金の一括贈与では対象外だった方も対象となる可能性があります!

イメージ図も載せておきましょう。

結婚・子育て資金の非課税の特例のイメージ

国税庁
「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A」より

イメージ図も似ていますね。

それでは、どのようなものが結婚・子育て資金となるかを確認しておきましょう。
結婚・子育て資金とは以下Ⅰ.またはⅡ.のような資金を指します。

Ⅰ.受贈者の結婚に際して支出する費用で次の1.~3.の費用に充てられる金銭(結婚関係⇒300万円が限度)

  1. 受贈者の婚姻の日の1年前の日以後に支払われる婚姻に係る婚礼(結婚披露を含む)のために要する費用で一定のもの
  2.  受贈者又はその配偶者の居住の用に供する家屋の賃貸借契約(受贈者が締結するものに限る)であって、婚姻の日の1年前の日からその婚姻の日以後1年を経過する日までの期間に締結されるものに基づきその締結の日以後3年を経過する日までに支払われる家賃、敷金その他一定のもの
  3.  受贈者が、受贈者及びその配偶者の居住の用に供するための家屋に転居(婚姻の日の1年前の日からその婚姻の日以後1年を経過する日までの期間にする転居に限る)をするための一定の費用

Ⅱ.受贈者又はその配偶者の妊娠、出産及び育児に要する費用で次の1.~4.の費用に充てられる金銭(妊娠・出産・育児関係)

  1. 受贈者又はその配偶者の不妊治療のために要する費用又は妊娠中に要する費用で一定のもの
  2. 受贈者又はその配偶者の出産の日以後1年を経過する日までに支払われるその出産に係る分べん費その他の費用で一定のもの
  3. 受贈者の小学校就学前の子の医療のために要する費用で一定のもの
  4. 幼稚園、保育所等を設置する者に支払う受贈者の子に係る保育料その他の費用で一定のもの

大きな特徴として、資金使途を結婚関係と妊娠・出産・育児関係との2つに分け、結婚関係は300万円を限度としていている点があげられますが、どちらも「一定のもの」といった意味深な文言が付いています。
この点については、基本的には交通費などの付随費用は対象外、つまり非課税とならないものとされています。
具体的にどんな費用が非課税となるかは内閣府の公表している費目リストで確認していただければと思います。

注意していただきたいのは、結婚関係費用についても妊娠・出産・育児関係費用についても、支払われる時期や契約締結の時期が細かく定められており、その期間になされたものに限って非課税となるということです。
例えば、Ⅰ.の3.における転居費用は婚姻の日(つまり、婚姻届が受理された日)の前後1年間に転居したものに係る費用でなくてはなりません(ちなみに、婚姻の日が5月5日だとすると、前後1年間は前年の5月5日から翌年の5月4日までとなります)。

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の手続

では、結婚・子育て資金の一括贈与についても非課税措置のための手続きを見ていきましょう。

実は手続きも教育資金の一括贈与の場合と似ています。
すなわち、この非課税措置の適用を受けるためには、その適用を受けようとする受贈者(つまり、お子さんやお孫さん。未成年の場合にはその保護者の方。)が、「結婚・子育て資金非課税申告書」を取扱金融機関の営業所等を経由して、信託がされる日、預金若しくは貯金の預入をする日又は有価証券を購入する日までに、その受贈者の納税地の所轄税務署長に提出するということになっています。

申告書の名前が違うだけですね。
結婚・子育て資金の一括贈与の場合も必ず金融機関を通して行われるので、税務署には行かなくてよいということです。

結婚・子育て資金を実際に支払った時の手続

実際に結婚・子育て資金を支払った時の手続きも、教育資金の場合と同じです。

つまり、領収書等の支払いの事実を証するものを金融機関に提出することになります。税務署へ行く必要はありません。

また、領収書等の提出時期も教育資金の時と同じです。

  1. 結婚・子育て資金を支払った後に、支払った金額を口座から払い出す方法を選択した場合
    ⇒領収書等に記載された支払年月日から1年を経過する日まで
  2. A.以外の方法を選択した場合
    ⇒領収書等に記載された支払年月日の属する年の翌年3月15日まで

これも、A.またはB.の方法を一旦選択すると、その後変更ができませんので、注意が必要です。

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の申告

さて、終了時についても確認しておきましょう。

結婚・子育て資金管理契約は次のうち、いずれか早い日に終了します。

  1. 受贈者が50歳に達した日
  2. 受贈者が死亡した日
  3. 結婚・子育て資金管理契約に係る信託財産の価額がゼロとなった場合で、受贈者と金融機関との間で結婚・子育て資金管理契約を終了させる合意があった場合はその合意に基づき結婚・子育て資金管理契約が終了する日

その他、結婚・子育て資金管理契約に係る預金若しくは貯金の額がゼロとなった場合や結婚・子育て資金管理契約に基づき保管されている有価証券の価額がゼロとなった場合も含みます。

なお、結婚・子育て資金管理契約が終了した時に、まだ提出していない領収書等がある場合に、教育資金管理契約の終了した翌月末日までに領収書等を金融機関に提出しなければならないこと、2.の場合には贈与税が課せられる受贈者が亡くなっているため贈与税が課せられないこと、1.または3.に該当し、贈与税が課せられることとなった場合(つまり、残額がある場合)には、残額についてその年の翌年2月1日~3月15日の間に贈与税の申告をしなければならないこと等は教育資金の一括贈与の場合と同じです。

 

以上で、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置についての説明も終わりました。

いかがでしたか、端午の節句のプレゼントに使えそうな非課税枠はありましたか?
もし、お子さん、お孫さんに教育や結婚・子育て資金が当てはまらなそうでも大丈夫です。

次はもっとお得な、住宅取得等資金についてご説明いたします。ぶっちゃけ、こっちの方がプレゼントっぽい気がしますしね。

住宅取得等資金の贈与税の非課税

住宅取得等資金の贈与税の非課税の概要

では、早速説明に移りましょう。

住宅取得等資金の贈与税の非課税とは、平成 24年1月1日から平成 31年 6月 30日までの間に、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんなどの直系尊属から、住宅取得等資金の贈与を受けた場合に、一定の要件を満たすときに、非課税限度額が設けられるというものです。

教育資金の一括贈与や結婚・子育て資金の一括贈与の期間は平成31年3月31日まででしたが、住宅資金等資金については平成31年6月30日までと、ちょっとだけ期間が長めです(平成27年度税制改正で延長されました)。

非課税限度額については、少々込み入っていますので、まずは下の図をご覧ください。

住宅取得等資金の非課税限度額

財務省 平成27年税制改正パンフレットより

上の図をみていただくと、非課税限度額は契約時期により細かく変動していることがわかると思います。

なぜこのように細かく変動するかというと、平成29年4月に予定されている消費税の引上げへの対応のためです。
すなわち、消費税が10%に引き上げられる直前期は、住宅の駆込み購入が予想されるため、この期間は非課税限度額を小さくし住宅の需要を抑えるとともに、その後は駆込み購入の反動により住宅の需要が減少すると思われるため、非課税限度額を増額することで需要を刺激して、反動減対策を施すというものです。

なお、請負工事については消費税引上げには経過措置があり、平成28年9月末までに請負契約を締結すれば、引渡しが平成29年4月を過ぎたとしてもも、旧税率の8%が適用されます。
そのため、住宅取得等資金の贈与税の非課税限度額も同様に、平成28年10月から増額されることになります。

住宅取得等に係る契約の締結時期が、消費税が8%である時期に当たる場合(つまり住宅取得等の対価の額に係る消費税が8%の場合)にはグレーの線が非課税限度額となり、消費税が10%の時期にあたる場合には黄緑の線が非課税限度額となるというわけです。

非課税限度額が一番大きくなるのは、平成28年10月から平成29年9月ですので、この間に住宅取得等資金をプレゼントすれば、最大で3,000万円も非課税となります(もはや端午の節句関係ないですね…)。

ちなみに上の図の非課税限度額は、断熱等性能等級4又は耐震等級2以上若しくは免震建築物、一次エネルギー消費量等級4以上、高齢者等配慮対策等級3以上などの基準を満たした「良質な住宅用家屋」の取得にかかる資金の場合の限度額です。
「良質な住宅用家屋」として非課税となるためには、住宅性能証明書などを贈与税の申告書に添付しなければなりません。

それ以外の一般住宅の場合の非課税限度額は、そこから500万円減少します(つまり、最大で2,500万円)。
非課税枠に500万円もの差がありますので、取得しようとする住宅が「良質な住宅用家屋」に該当するか否かは、請負契約を締結する工務店等に確認することをお勧めします。

住宅取得等資金の贈与税の非課税の「一定の要件」とは

さて、住宅取得等資金の贈与税の非課税とは・・・の文で、「一定の要件を満たすときに」とある部分が気になっている方もいらっしゃると思います。

実は、この一定の要件がちょっと手強いんですね。 一定の要件は大きく、受贈者要件、すなわち贈与を受けるお子さん、お孫さんの要件と、住宅の新築・取得・増改築に係る要件の2つがあります。

それでは、それぞれの要件を確認していきましょう。

受贈者要件

受贈者要件は以下の8点です。8つ全部を満たさなければなりません。

  1. 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること、または贈与を受けた時に日本国籍を有していること、もしくは受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
  2. 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること(つまり、贈与者は受贈者の直系尊属であること)。
  3. 贈与を受けた年の1月1日において、20 歳以上であること。
  4. 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000 万円以下であること。
  5. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等をすること。
  6. 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
  7. 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある方から住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等をしたものではないこと。
  8. 平成23 年分以前の年分において、旧非課税制度(平成22・24 年の各税制改正前の「住宅取得等資金の贈与税の非課税」のことをいいます。以下同じです。)の適用を受けたことがないこと。

注意すべきは、5.の「贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等をすること」という条件です。
住宅取得等資金の贈与税の非課税は、受贈者が住宅用の家屋を所有することにならない場合には適用を受けることはできません。
また、一旦金融機関などから融資を受けて住宅取得資金の支払った後に、贈与を受けた資金を借入金の返済に充てた場合や、一旦自己資金で立替え払いし、その後、贈与を受けた資金を立替金の精算に充てた場合、贈与を受けた資金の全額を取得等に充てていない場合にも非課税の適用を受けることはできません。

なお、6.について、「同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること」とは、贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住する必要があるとされています。
翌年12月31日までに居住していないときは、新非課税制度は適用されず、修正申告が必要となります。

住宅の新築・取得・増改築に係る要件

住宅取得等資金の贈与税の非課税は住宅を新築するときや、中古住宅を取得するときだけでなく、増改築するときにも利用することができます。

一方で、新築又は取得の場合の要件と増改築等の場合の要件は異なっており、それぞれ以下の通りです。いずれも対象となる住宅は日本国内にあるものに限られます。

Ⅰ.新築又は取得の場合の要件

  1. 新築又は取得した住宅用の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
  2. 取得した住宅が次のいずれかに該当すること。
  • 建築後使用されたことのない住宅
  • 建築後使用されたことのある住宅(つまり、中古住宅)で、その取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築されたもの
  • 建築後使用されたことのある住宅で、一定の「耐震基準適合証明書」、「住宅性能評価書の写し」又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類により証明されたものであること

なお、「新築」の場合には、その贈与を受けた年の翌年3月15日現在において、その家屋がいわゆる「棟上げ」以降の状態にあれば「新築」とされますが、「取得」の場合には、贈与を受けた資金を建売住宅や分譲マンションの取得の対価に充てていたとしても、売買契約を締結しただけでは「取得」には当たらず、その引渡しを受けていなければ「取得」とはなりません(つまり、住宅取得等資金の贈与税の非課税を利用することができないということです)。
また「棟上げ」が終わっていることについては建築業者からの証明が必要となります。

Ⅱ.増改築等の場合の要件

  1. 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
  2. 増改築等の工事が、自己が所有し、かつ、居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」により証明されたものであること。
  3. 増改築等の工事に要した費用の額が100万円以上であること。

3.について、居住の用以外の用に供される部分もあわせて工事を行う場合には、居住用部分の工事費が全体の工事費の2分の1以上でなければなりません。

住宅取得等資金の贈与税の非課税制度の申告

住宅取得等資金の贈与税の非課税制度は、贈与税の申告期間内(翌年2月1日から3月15日まで)に贈与税の申告書及び添付書類などを提出した場合に限り、その適用を受けることができます。

主な必要書類は以下の通りです。

  • 非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書(第一表)
  • 相続時精算課の計算明細書(贈与税の申告書第二表)
  • 相続時精算課税選択届出書
  • 受贈者の戸籍の謄本
  • 受贈者の戸籍附票の写し
  • 贈与者の住民票の写し(受贈者の住民票の写しが必要な場合もあります)
  • 登記事項証明書
  • 新築や取得の契約書の写し
    など

必要な書類は、新築工事が完了しているかどうか、すでに居住しているかどうかにより異なってきますので、以下の東京国税局または名古屋国税局サイトに掲載されている住宅取得等資金の非課税のチェックシートを利用するのが良いと思います。

まとめ

さて、端午の節句のお祝いを非課税でする方法について、暦年課税、教育資金の一括贈与、結婚・子育て資金の一括贈与、住宅取得等資金の贈与の4つの方法を取り上げました。

利用できそうな制度はあったでしょうか?
最大で3,000万円もの非課税枠がありますから、かわいいお子さん、お孫さんのためにも是非利用して頂きたいと思います。

しかし一方で、冒頭でも言ったように、贈与税は相続税を補完する税金ですから、これら贈与税の制度を利用する際には、相続税についても考えておかなければなりません。 つまり、贈与税対策は相続税対策にも直結するということです。

お子さん、お孫さんを思う気持ちで贈与税対策をしたばかりに、相続を「争族」としないためにも、贈与税、相続税の対策は必ず経験豊富な税理士と行うことをお勧めします。

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