保存版-迷える個人事業主に贈る、確定申告の所得控除全項目

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保存版-迷える個人事業主に贈る、確定申告の所得控除全項目

所得控除使ってますか?

個人事業主の方が確定申告で悩むものに所得控除と税額控除があります。どちらも要件がちょっと複雑ですし、書類などを揃える必要があることから「もう、控除なしでいいやっ!」と、これらの特典を利用せずに申告している方も多いのではないでしょうか?

ですが、それまでレシートや領収書を集めてコツコツ経費を計上して節税しているのに、所得控除や税額控除を使わないのは非常にもったいないです。所得控除や税額控除の多くは領収書を集めるよりもずっと効果的に節税できる手段なのです。

本稿では所得控除にフォーカスして、個人事業主の方が次の確定申告でスムーズに所得控除が利用できるよう、できる限り詳細に解説していきます。不要な税金支払いをしないためにも、この機会に所得控除をマスターしちゃいましょう!

税額控除については「保存版-迷える個人事業主に贈る、確定申告の税額控除全項目」で説明していますので、こちらも是非ご覧ください!

そもそも所得控除って?

所得税は基本的に、収入金額から必要経費を控除した後の金額(これを所得といいます)に所得税率を乗じることで計算されます。

ですが、実はこの所得からさらに控除できる項目があるのです。これこそが所得控除なのです。
所得から所得控除を控除することで(なんだこの文章は…)、税率を乗じるもととなる金額を減らすことができるため、節税にとっても有効です。

所得控除は、所得税額を計算するときに納税者の個人的事情を加味するために設けられた制度ですので、利用しなければ払う必要のない税金を払っていることになります(税務署は、税金を過小申告した時は厳しく追及しますが、多く払った場合には何も言ってきません)。
現在、所得控除として認められているものとしては以下の項目があります。

  1. 基礎控除
  2. 配偶者控除
  3. 配偶者特別控除
  4. 扶養控除
  5. 医療費控除
  6. 寄附金控除
  7. 生命保険料控除
  8. 地震保険料控除
  9. 社会保険料控除
  10. 小規模企業共済等掛金控除
  11. 勤労学生控除
  12. 寡夫控除
  13. 寡婦控除
  14. 障がい者控除
  15. 雑損控除

ご覧いただいたとおり、かなり多くの所得控除が用意されていますが、パッと見ただけでは、自分が利用できる控除かどうか判断が付かないと思います。

また、もしかすると給与所得控除という言葉を聞いたことのある方は「給与所得控除が載っていないじゃないか」とお思いかもしれません。
念のためご説明しますと、給与所得控除というのはサラリーマンなどの給与所得者の方が必要経費の代わりとして収入金額から差し引ける控除です。控除額は年収に応じて変わりますが、最低でも65万円を差し引くことができます。
つまり、給与所得控除は所得から差し引かれるものではなく、給料などの収入金額から差し引かれるものですので、本稿で採り上げる所得控除には含めていません。

それから、所得控除の説明の際に避けて通れない2つの専門用語を紹介しておきます。もちろん、覚える必要は全くありません。これらの用語が出てきたときに、戻ってきて確認してみてください。

「合計所得金額」
合計所得金額とは、純損失、雑損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失及び特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除を適用する前の総所得金額および、 特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。

「総所得金額等」
総所得金額等とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額および、 特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。

それでは早速、所得控除について説明していきます。
たくさんあって大変そうだとお思いかもしれませんが、本稿ではこれらを一つずつ詳細に説明していきますのでご安心下さい!

基礎控除

基礎控除の要件

まずは、基礎控除です。基礎控除は、他の所得控除のように一定の要件に該当する場合に控除できるというものではなく、どなたにも一律に適用される控除です。

基礎控除の額

基礎控除の金額は38万円と決まっています。

なお少し先取りしてご説明すると、日本国内に住所などがない、いわゆる非居住者の方であっても、基礎控除、寄附金控除、雑損控除の三つは利用することができます。
海外から引っ越してきて間もない方で、ご自身が居住者に該当するかどうか知りたい方は、こちらの国税庁HPをご確認下さい。

配偶者控除

配偶者控除の要件

所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に受けられる所得控除を配偶者控除といいます。では、所得税法上の控除対象配偶者とはどういった方をいうのでしょうか?

所得税法上の控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の4要件をすべて満たすような方をいいます。

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと

まず1.についてですが、日本の民法では届出婚主義がとられているため、いわゆる内縁の妻などの内縁関係にある方について配偶者控除を適用することはできません。

また2.で問題となるのが「生計を一(「いつ」と読みます)にする」と言う文言です。
生計を一にするとは、つまり、生活のためのお金の出所が同じという意味です。したがって、同居しているかどうかは問題となりません。別居していたとしても、常に生活費等の送金が行われている場合には、生計を一にするものとして取り扱われます。

3.については配偶者の方の合計所得金額が38万円以下である必要があるということです。納税者の方の所得金額ではありませんので注意してください。
配偶者の方の合計所得が38万円以下と定められているのは、仮に配偶者の方が自分で申告した場合、基礎控除により納税額がゼロとなるラインということです。

また、カッコ内で「給与のみの場合は給与収入が103万円以下」とされているのは、配偶者が給与所得者の場合には、前述の給与所得控除の最低控除額である65万円と基礎控除の38万円とを合計した103万円が、納税額がゼロになるラインだからです。

最後の4.については、生計を一にしている配偶者その他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがあります。
これらの給与は原則として必要経費にはなりませんが、配偶者が青色申告者の事業専従者である場合には支払われた給与の額を、白色申告者の事業専従者である場合には一定の計算で求められた額を必要経費として控除することが認められています。したがって、このような場合には配偶者控除と合わせて利用することはできないということです。

配偶者控除の額

原則として38万円が控除額ですが、対象となる配偶者が12月31日時点で70歳以上の場合には、老人控除対象配偶者とされ、48万円を控除することができます。

配偶者特別控除

配偶者特別控除の要件

上記の配偶者控除で、配偶者の所得が38万円を超えて適用が受けられないときでも、この配偶者「特別」控除を適用できる可能性があります。

以前は、例えば配偶者控除の対象となる方(たいていの場合は奥さん)がパートなどをしている場合であっても、配偶者控除を受けるために給与を103万円以下に抑えようとする傾向があり、女性の社会進出や経済発展の観点から問題視されていました。いわゆる「103万円の壁」と呼ばれるものです。

そこで、新に設定されたのがこの配偶者特別控除です。
配偶者特別控除は、一律金額を控除する配偶者控除とは異なり、配偶者の所得金額が増加するにつれ、控除額が減少していく仕組みになっています。
そうすることによって、配偶者の給与が103万円を越えて、配偶者控除の適用外となって瞬間に、控除額がドカンと減少することの無いように配慮されています。

つまり、税務上はすでに103万円の壁はなくなっているということです。
それにも係わらず、いまだに根強く103万円の壁が意識されているのは、多くの会社でこの103万円が家族手当などの判断基準として使われているからでしょう。税法が変わっても、会社がついていけていない典型的な例ですね。

また、税法とは関係ありませんが「130万円の壁」という言葉も聞いたことがあると思います。 これは、サラリーマンや公務員の方の配偶者が、健康保険や年金などの社会保険の扶養に入れるか否かのラインです。
この130万円の壁は税法の103万円の壁のように制度上の手当てがされていませんので注意が必要なのですが、本稿での主旨ではありませんので、それについてはまた改めてご説明したいと思います。

ちょっと、道草をしすぎましたので、さっそく要件を確認しましょう。

はじめに、配偶者特別控除を受けるには、控除を受ける人、つまり納税者の合計所得金額が1,000万円以下である必要があります。
その上で、以下の要件を全て満たす必要があります。

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じ一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。
  4. ほかの人の扶養親族となっていないこと。
  5. 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること。

1.~3.は配偶者控除のときと同じですね。

そして、4.については、扶養親族とは何かについて説明する必要があるかと思いますが、これは「扶養控除」のセクションで説明いたします。ここでは、所得が38万円以下の配偶者以外の親族と思ってもらえればよいです。例えばお子さんとかですね。

5.については38万円以下なら配偶者控除が使えますので、下限の38万円超というのは納得いくと思います。一方、上限は76万円未満ということですから、配偶者が給与所得者であれば給与所得控除を適用して、年収141万円(=76万円+65万円)までなら、配偶者特別控除を適用できるというわけです。

配偶者特別控除の額

先ほど、配偶者特別控除の控除額は、配偶者の所得金額が増加するにつれ、控除額が減少していく仕組みになっていると言いましたが、具体的な控除額は以下のようになっています。

配偶者特別控除額

出典:国税庁HP

配偶者がサラリーマンやパートなどの給与所得者の場合には、「配偶者の合計所得金額」は給与所得控除65万円を差し引いた後の金額で判定しますのでご注意下さい。

例えば、配偶者の方のパートに出ていて、その年収が120万円だとすると、120万円から給与所得控除65万円を控除した55万円が「配偶者の合計所得金額」となり、21万円をご自身の所得から配偶者特別控除として差し引くことができます。

扶養控除

扶養控除の要件

扶養控除は、その年の12月31日に16歳以上の扶養親族がいる場合に、一定の控除が受けられるというものです。

ここで扶養親族とは、次の4つの要件を全て満たす人のことをいいます(これも12月31日時点で判定します)。

  1. 配偶者以外の親族であること(都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人の方も含む)。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下であること)。
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。

2.~4.はこれまでの説明と同じですので、大丈夫だと思います(慣れてきたでしょうか?)。

1.の「親族」とは民法上の親族ですので、ここから配偶者を除いた6親等内の血族及び3親等内の姻族が扶養控除の対象となる親族になります。

こちらの横浜市が作成している新等図が分かりやすいと思います。丸数字が親等数を表しています。

親等図

出典:横浜市HP

なお、12月31日の現況において、ある一人の方を対象として複数の納税者が重ねて配偶者控除や扶養控除を受けることはできません。

例えば、定年間近のAさんの妻B子さんにCさんという給与所得者である成年した子供がいるとします。
この場合、AさんがB子さんについて配偶者控除を適用し、さらにCさんがB子さんについて扶養控除を適用することはできないということです。B子さんがAさんの控除対象配偶者となるか、Cさんの扶養親族に該当するかどうかの判定は、12月31日の現況により判断されます(この場合、Aさんの控除対象配偶者となることが多いと思います)。

扶養控除の額

扶養控除の額は以下のような区分毎に決まっています。

扶養控除額

出典:国税庁HP

※1 「控除対象扶養親族」とは、扶養親族のうち、16歳以上の人をいいます(その年12月31日時点で判定。以下同様)。つまり、通常の扶養控除の対象となる親族のことです。

※2 特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち19歳以上23歳未満の人をいいます。こちらのほうが一般の控除対象扶養親族より控除額が多いため、年齢的に特定扶養親族に該当するのであれば、こちらのほうが有利です。

※3 老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち70歳以上の人をいいます。もちろん、扶養控除を受けるためには所得が38万円以下で、生計を一にしていなければなりません。

なお、所得が老齢(退職)年金だけの方が扶養親族に該当するかどうかは次のように判定します。

年金を受給している方が65歳未満で、受け取る年金額が108万円以下のときは、公的年金等控除額が最低70万円となっていますので、これを差し引くと所得金額が38万円以下となり扶養控除の対象となります。ただし、65歳未満ですので、老人扶養親族ではなく、一般の控除対象扶養親族となります。

一方、65歳以上の方は、公的年金等控除額が最低120万円となっていますので、受け取る年金額が158万円までであれば、所得金額は38万円以下となり、扶養控除の対象となります。この時、その方が70歳以上であれば老人扶養親族ですし、65歳以上70歳未満だと一般の控除対象扶養親族となります。

※4 同居老親等とは、老人扶養親族のうち、納税者またはその配偶者の直系の尊属(つまり、両親やおじいさん、おばあさんなど)で、納税者またはその配偶者と常に同居している人をいいます。 なお、病気の治療のため入院している場合には、入院が長期であっても「同居」と取り扱われますが、老人ホーム等へ入所している場合には、その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえません。

医療費控除

医療費控除の要件

医療費控除とは、一定額以上の医療費を支払った場合に受けることができる所得控除です。
医療費控除の対象となるのは、自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費です。

「生計を一にする」や「親族」というのは、これまでの説明と同じですので説明は不要だと思いますが、対象となる医療費が全て控除されるわけではありません。

それでは、いくら控除できるのかを見ていきましょう。

医療費控除の額

医療費控除の額、次の式で計算されます。

実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額※1-10万円※2

※1 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などは、計算基礎となる医療費の額から差し引かれます。
ただし、保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額から差し引きますので、仮に医療費より保険金のほうが多く、引ききれない金額があったとしても、その他の医療費から差し引く必要はありません。

 ※2 低所得者にまで一律10万円控除とすると公平とはいえませんので、総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等5%の金額を差し引きます。

式を見て分かるように、基本的には10万円を超えた場合に、医療費控除が適用されることになります。なお、医療費控除のとして控除できる金額は最高で200万円までとされています。

寄附金控除

寄附金控除の要件

一定の寄附をした場合に適用される所得控除です。しかしながら、全ての寄附が適用対象となるわけではなく、「特定寄附金」と呼ばれるものだけが控除対象です。

なお、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金および公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものは、この所得控除に代えて税額控除を選択することができます。税額控除については、記事を改めて解説したいと思っていますので、本稿では所得控除の要件について見ていきます。

寄付金控除の対象となる特定寄附金とは以下のような寄附金を指します。

  1. 国、地方公共団体に対する寄附金(ふるさと納税はこれに該当します)
  2. 公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人または団体に対する寄附金のうち、一定の要件を満たすと認められるものとして、財務大臣が指定したもの(「指定寄附金」といいます)
  3. 公共法人等のうち、公益の増進に著しく寄与するものと認められた特定公益増進法人に対する寄附金で、その法人の主たる目的である業務に関連するもの(「特定公益増進法人に対する寄附金」といいます) (特定公益増進法人一覧は、財務省のHPをご覧ください。)
  4. 政治活動に関する寄附金のうち、一定のもの
  5. 認定NPO法人等に対する寄附金のうち、一定のもの (認定NPO法人等の一覧は内閣府NPOのHPをご覧ください)
  6. 特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取得した場合の特定新規株式の取得に要した金額のうち一定の金額(1,000万円が限度となっています)

上のいずれかに該当する寄附金は特定寄附金となり、寄附金控除の対象となりますよ。

ただし、学校の入学に関するものや寄附をした人に特別の利益が及ぶと認められるもの(利益が寄附した人に及ぶのであれば、そもそも寄附とはいえませんしね)などは特定寄附金に該当しませんので注意が必要です。

寄附金控除の額

寄附金控除の控除額は、その年に支出した特定寄附金の合計額(総所得金額等の40%が限度額)から2,000円を差し引いた金額となります。

また寄附金控除を受けるためには、寄附先からの領収書や寄附先が特定寄附金の対象となることを証明する書類を、確定申告書に添付する必要があります。

生命保険料控除

生命保険料控除の要件

生命保険料控除とは、一定の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に適用される所得控除です。

生命保険料控除の対象となる保険契約には、生命保険契約、介護医療保険契約、個人年金保険契約などがあるのですが、生命保険料控除は平成22年度の税制改正において大幅な変更が行われ、平成24年1月1日以後に締結した保険契約とそれ以外のものとで対象となる保険契約が異なり、少々複雑です。

こちらの国税庁HPでも確認することができますが、保険会社に所得税の生命保険料控除の対象となるか否か直接確認するのが最も確実だと思います。

生命保険料控除の額

平成22年度の税制改正により、控除額についても平成24年1月1日以後に締結した保険契約等(「新契約」と呼びます)に係る保険料と、それ以外(「旧契約」と呼びます)の保険料とでは異なってきます。

新契約の控除額は以下の通りです。

生命保険料控除額(新契約)

出典:国税庁HP

旧契約の控除額は以下の通りです。

生命保険料控除(旧契約)

出典:国税庁HP

また、新契約と旧契約の両方に加入している場合には、次のいずれかを選択して控除額を計算することができます。

生命保険料控除(新契約と旧契約双方)

出典:国税庁HP

生命保険料控除はこれらの控除額の合計額となりますが、12万円が限度額となっています。

また、生命保険料控除を受けるためには、保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」を確定申告書に添付する必要があります。

地震保険料控除

地震保険料控除の要件

地震保険料控除とは損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料について、一定額を所得控除できるとするものです。

対象となる損害保険契約等は、保険の対象が、自分や自分と生計を一にする親族が所有している家屋や生活用動産であり、かつ、地震、噴火、津波を原因とする火災、損壊等による損害に対し保険金が支払われるものに限られます。
これも、国税庁のHPにて地震保険料控除の対象となる保険契約が示されていますが、保険会社に直接尋ねるのが確実だと思います。

なお、平成18年度まで認められていた損害保険料控除は廃止されました(経過措置はあります)。

地震保険料控除の額

地震保険料控除の控除額は以下の通りです。

地震保険料控除

出典:国税庁HP

地震保険料控除も生命保険料控除と同様、保険会社から送られてくる「地震保険料控除証明書」を確定申告書に添付する必要があります。

社会保険料控除

社会保険料控除の要件

社会保険料控除は、自分や自分と生計を一にする親族の負担すべき社会保険料を支払った場合(給与から天引きされる場合も含む)に適用される所得控除です。

例えば、成人した子どもの国民年金を親が支払っている場合など、自分だけでなく生計一の親族の分も払ったのなら、それも社会保険料控除の対象となります。

社会保険料控除の対象となる社会保険料は以下のようなものです。

  1. 健康保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料で被保険者として負担するもの
  2. 国民健康保険の保険料など
  3. 高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料
  4. 介護保険法の規定による介護保険料
  5. 雇用保険の被保険者として負担する労働保険料
  6. 国民年金基金の加入員として負担する掛金
  7. 厚生年金基金の加入員として負担する掛金
  8. 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、恩給法等の規定による掛金、納付金または納金
  9. 労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料
  10. 独立行政法人農業者年金基金法の規定により被保険者として負担する農業者年金の保険料
  11. 地方公共団体の職員が条例の規定によって組織する互助会の行う職員の相互扶助に関する制度で、一定の要件を備えているものとして所轄税務署長の承認を受けた制度に基づきその職員が負担する掛金
  12. 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律の公庫等の復帰希望職員に関する経過措置の規定による掛金
  13. 健康保険法附則または船員保険法附則の規定により被保険者が承認法人等に支払う負担金
  14. 租税条約の規定により、当該租税条約の相手国の社会保障制度に対して支払われるものうち一定額

後半はちょっとマニアックですので、1.~10.あたりを押さえておけばよいでしょう。

社会保険料控除の額

社会保険料控除の対象となる社会保険料は全額を所得から控除することができます。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除の要件

小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済契約の掛金などを支払った場合に適用できる所得控除です。

小規模企業共済等掛金控除の対象となるものは以下の通りです。

  1. 小規模企業共済法の規定によって独立行政法人中小企業基盤整備機構と結んだ共済契約の掛金※1
  2. 確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金または個人型年金加入者掛金
  3. 地方公共団体が実施する、いわゆる心身障がい者扶養共済制度の掛金

※1中小企業基盤整備機構の小規模企業共済制度については中小企業基盤整備機構のHPをご確認下さい。

小規模企業共済等掛金控除の額

小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金全額を所得から控除できます。

勤労学生控除

勤労学生控除の要件

勤労学生控除はご自身が勤労学生に当てはまる場合に受けられる所得控除です。

ご自身が勤労学生かどうかは判断が難しいと思いますが、所得税法上は12月31日時点以下の要件を全て満たせば勤労学生ということになります。

  1. 給与所得などの勤労による所得があること
  2. 合計所得金額が65万円以下で、しかも1.の勤労に基づく所得「以外」の所得が10万円以下であること
  3. 特定の学校の学生、生徒であること

2.については、合計所得金額で65万円以下かどうかを判定しますので、給与の収入金額から給与所得控除65万円を差し引いた後の金額で判断します。

また3.の「特定の学校」とは、次のいずれかの学校をいいますが、通学している学校に直接問い合わせるのが確実です。

  1. 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
  2. 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校または各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
  3. 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの

勤労学生控除の額

控除額は一律27万円です。
なお、学校教育法に規定する学校以外の場合には、必要な証明書を確定申告書に添付する必要があります。

寡夫控除

寡夫控除の要件

男性が寡夫(「かふ」と読みます)である場合に適用できる所得控除です。

所得税法上の寡夫とは、12月31日時点で以下の要件を全て満たす男性を言います。

  1. 妻と死別し、若しくは離婚したあと婚姻をしていないこと、または妻の生死が明らかでない一定の人であること。
  2. 合計所得金額が500万円以下であること。
  3. 生計を一にする、総所得金額等が38万円以下の子がいること。

なお、3.の子は、他の人の控除対象配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。

寡夫控除の額

寡夫控除の控除額は一律27万円です。

寡婦控除

寡婦控除の要件

女性が寡婦(これも「かふ」と読みます)である場合に適用できる所得控除です

所得税法上の寡婦とは、12月31日時点で以下の要件を全て満たす女性を言います。

  1. 夫と死別もしくは離婚したあと婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人または生計を一にする総所得金額等が38万円以下の子がいる人です。
  2. 夫と死別したあと婚姻をしていない人または夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。

1.の場合の子は、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。

なお、2.の場合には扶養親族などの要件はありませんが、離婚した人は対象外です。

また、以下の要件に該当する女性は所得税法上「特定の寡婦」と呼ばれ、この場合は離婚した人も対象ですが、扶養親族である子がいるという要件が必要です。

  1. 夫と死別しまたは離婚したあと婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人
  2. 扶養親族である子がいる人
  3. 合計所得金額が500万円以下であること。

寡婦控除の額

寡婦控除で控除できる金額は27万円です。 特定の寡婦に該当する方は35万円となります。

障がい者控除

障がい者控除の要件

ご自身だけでなく、控除対象配偶者や扶養親族が所得税法上の障がい者に当てはまる場合には、障がい者控除を適用することができます。

所得税法上の障がい者とは以下のような人を指します。

  1. 常に精神上の障がいにより事理を弁識する能力を欠く状態にある人※1
  2. 児童相談所、知的障がい者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障がい者と判定された人※2
  3. 精神保健及び精神障がい者福祉に関する法律の規定により精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けている人※3
  4. 身体障がい者福祉法の規定により交付を受けた身体障がい者手帳に、身体上の障がいがある人として記載されている人※4
  5. 精神または身体に障がいのある年齢が満65歳以上の人で、その障がいの程度が、2.または4.に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人※5
  6. 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人※6
  7. 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人※1
  8. その年の12月31日の現況で引き続き6ヶ月以上にわたって身体の障がいにより寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人※1

※1 この方は、特別障がい者になります。

※2 重度の知的障がい者と判定された方は、特別障がい者になります。

※3 障がい等級が1級と記載されている方は、特別障がい者になります。

※4 障がいの程度が1級または2級と記載されている方は、特別障がい者になります。

※5 特別障がい者に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている方は特別障がい者になります。

※6 このうち障がいの程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの方は、特別障がい者となります。

障がい者控除の額

障がい者控除の控除額は障がい者一人について27万円、特別障がい者に該当する場合は40万円です。

控除対象配偶者または扶養親族が特別障がい者に該当し、かつ、納税者または納税者の配偶者若しくは納税者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている場合は、障がい者控除額は75万円となり、配偶者控除または扶養控除の額に35万円が加算されます。

なお、障がい者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます。

雑損控除

雑損控除の要件

災害、盗難、横領によって損害を受けた場合の所得控除を雑損控除と言います。
雑損控除の対象となる損害となるかどうかは、損害を受けた資産の要件と損害の原因との2つの要件を満たさなければいけません。

まずは損害を受けた資産の要件を見ていきましょう。

雑損控除の対象となるには、損害を受けた資産が次の2つの要件をいずれも満たさなければなりません。

  1. 資産の所有者が納税者自身であるか、納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の者であること。
  2. 生活に通常必要な住宅、家具、衣類などの資産であること

2.の「生活に通常必要な~」とありますので、趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産、事業用の資産(棚卸資産も含む)、山林などは含みません。また生活に通常必要な資産であっても、書画、骨とう、貴金属等で1個または1組の価額が30万円を超えるものなども含まれません。

そして、損害の原因は以下のいずれかに限られます。

  1. 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  2. 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
  3. 害虫などの生物による異常な災害
  4. 盗難
  5. 横領

上記に含まれない詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。したがって、振り込め詐欺やオレオレ詐欺にも残念ながら適用できません。

雑損控除の額

雑損控除の控除額は次の二つのうちいずれか多い方の金額です。

  1. 差引損失額-(総所得金額等×10%)
  2. 差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

なお、その年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。

また、「差引損失額」とは損害金額から保険金などにより補填される金額を控除したものです。災害により滅失した住宅、家財などを取り壊すために支出した金額など(これがa.の式の「災害関連支出の金額」と同じものです)があれば、差引損失額に加えることができます。

雑損控除を受けるためには災害関連支出の金額の領収書などを確定申告書類に添付する必要があります。

また、所得金額の合計額が1,000万円以下の人が災害にあった場合は、「災害減免法による所得税の軽減免除」と雑損控除とを比較し有利な方法を選択することができます。 「災害減免法による所得税の軽減免除」については国税庁のHPをご確認下さい。

ちなみに、説明は最後となってしまいましたが、雑損控除は、これまで説明した他の所得控除に先だって所得から控除することとなっています。

まとめ

いかがだったでしょうか?ご自身に適用できそうな所得控除はありましたか?

冒頭でも言ったように、所得控除は納税者の個人的な事情を加味するためにわざわざ設けられている制度ですし、節税効果も大きいので利用しない手はありませんよ。
これまで面倒くさそうとあきらめていた方も、是非今年は所得控除の適用にチャレンジしてほしいと思います!

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